なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

OLD MAN GLOOM『The Ape Of God』

OLD MAN GLOOM I DYMC-236


アーロン・ターナー(vo、g、エレクトロニクス~元ISIS他)、
ネイト・ニュートン(vo、g~CONVERGE他)、
ケイラブ・スコフィールド(vo、b~CAVE IN他)、
サントス・モンターノ(ds)による、
米国の“ダークネス・ヘヴィ・ロック・バンド”OLD MAN GLOOM
『No』以来の“6作目”と言えそうなアルバムが2種類同時リリースされている。

似たデザインのジャケットで共に『The Ape Of God』というタイトルが付けられているが、
日本盤は、
やや茶系統の色が入っているジャケットの約44分8曲入りCDの方が『ジ・エイプ・オブ・ゴッドⅠ』、
やや黒色が強めのジャケットの約47分4曲入りCDの方が『ジ・エイプ・オブ・ゴッドⅡ』
というタイトルになっている。

2枚組で発表しなかったのはまとめて出すと重すぎるからかとも思ったが、
収めた個々の楽曲のヴォリュームの違いゆえのことかとも想像できる作りだ。
すべてカート・バルー(CONVERGE)が録音とミックスを行ない、
アタック感の強い音にもかかわらず音の奥行きと広がりが十分で立体感のある仕上がりになっている。

OLD MAN GLOOM II DYMC-237

しいて引き合いに出すとしたら共にISISに近いが、
ISISのヒップホップ的なループのリズムを抜き、
もっとワイルドかつドゥーミーにしたようなヘヴィ・ロック・アプローチだ。

『ジ・エイプ・オブ・ゴッドⅠ』は比較的短めの曲で構成されている。
といっても6分を越える曲が半数を占め、
スロー・リフのヘヴィ・ロック・パートが目立つ一方で
フリーキーなハードコア・パンク・チューンもいくつか含み、
終始陰鬱(gloomy)なアンビエント・サウンドに包まれながらミニマルな構成で展開する。
難解ではなく、
あくまでもエネルギッシュ&パワフルなロック・サウンドであり、
NIRVANAっぽいフック十分のフレーズも絡めたりしてメリハリがはっきりした曲と音で迫る。
とはいえむろん甘くはなく、
混沌としたラスト・ナンバーは特に壮絶だ。

『ジ・エイプ・オブ・ゴッドⅡ』の方は12~15分の3曲を含む構成で、
さらにじっくりとリフで攻めるミニマルな構成のドゥーム/スラッジ・ヘヴィ・ロック・パート中心。
ドゥーミーといってもゆるいわけではなく、
こちらもベースとドラム(スネアもキックも)の音が大きくてパーカッシヴな仕上がりだ。
ギターはヘヴィ・メタル風の輪郭のはっきりしたリフではなく
ささくれだった金属質の音をリズミカルに引っ掻き続けてやはり半ば“ビート”と化している。
音の一つ一つが強度の高い作りでこっちの肉体を打ち、
“ハードコア以降の研ぎ澄まされた硬度のAMON DUUL”とも呼びたくなり、
太い声だけでなくスピリチュアルなヴォイスも多用されているから祭祀的とすら言えるほどである。

“神の類人猿”と直訳もできる今回のアルバムのタイトルには、
バンドのもともとのテーマがこれまでよりもストレートに表れている。
MAN IS THE BASTARDのコンセプトに通じると思うのは僕だけではないだろう。
歌詞は人類への警鐘みたいなニュアンスで
“弦楽器隊”の三人がフロントマンのトリプル・ヴォーカル体制も相まって、
バンド自身が演じる映画みたいに聞こえてくる一枚である。


アーロン・ターナーが操るエレクトロニクスの音も奏功し、
これまた今までのアルバム以上に映像が浮かび上がってくる2作品だ。


★オールド・マン・グルーム『ジ・エイプ・オブ・ゴッドⅠ』(デイメア・レコーディングス DYMC-236)CD[上の方の画像がジャケット]
★オールド・マン・グルーム『ジ・エイプ・オブ・ゴッドⅡ』(デイメア・レコーディングス DYMC-237)CD[下の方の画像がジャケット]
共に12ページのブックレット封入の二つ折り紙ジャケット仕様で日本盤は歌詞の和訳付。


スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事へのトラックバックURL
http://hardasarock.blog54.fc2.com/tb.php/1369-53f70c5a

 | HOME | 

文字サイズの変更

プロフィール

行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

未分類 (9)
HEAVY ROCK (241)
JOB/WORK (294)
映画 (262)
PUNK ROCK/HARDCORE (0)
METAL (43)
METAL/HARDCORE (48)
PUNK/HARDCORE (420)
EXTREME METAL (129)
UNDERGROUND? (99)
ALTERNATIVE ROCK/NEW WAVE (123)
FEMALE SINGER (43)
POPULAR MUSIC (27)
ROCK (83)
本 (9)

FC2カウンター

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QRコード

FC2Ad

Template by たけやん