なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

DEPECHE MODE『Live In Berlin Soundtrack』

Depeche Mode Live in Berlin


エレポップを超えた歌と音で揺るぎない地位を確立している:結成35年目の英国の“ロック・バンド”が、
2013年1の1月にドイツのベルリンで行なったライヴを計21曲収めた約122分の2枚組CD。
同タイトルのDVDもリリースされているようだ(未確認)。

スタジオ録音アルバムはもちろんのこと
ライヴ盤もコンスタントにリリースしているバンドだが、
昔の曲を常時アップデートしている姿をあまりライヴに来られないファンに提示する気持ちもうかがえる。
2013年リリースの目下の最新オリジナル・アルバム『Delta Machine』の曲を6曲も披露しているのは、
常に新作が最高という自信の表れだろう。
むろん代表曲もやっているが、
持ち曲が多いから人気曲も外さざるを得ないだけに思い切っていくつかの有名曲を削り、
初期の曲もレアな曲も含めて新旧のファンのツボを突くセットリストになっている。


このCDのようにアリーナ・クラスの会場でライヴを行なうバンドである。
ポップでありながら硬質な佇まいのサウンドは昔からドイツもイメージさせてきたから、
ベルリンのファンが大盛り上がりしているのは納得できる。
それこそRAMMSTEINあたりにもつながっている。
クールなようでけっこう音はねばっこく、
81年のファースト『Speak & Spell』(その収録曲「Just Can't Get Enough」を本作でも披露)から
3人のコア・メンバーが不変のバンドならではの、
確信に満ちたサウンドが鳴っている。

80年代初頭のニューウェイヴの生き残りであり、
当時からコンスタントに活動している唯一の英国のバンドと言ってもいい。
それはやはり強靭な精神性によるところか大きく、
それはむろんサウンドに表われている。
エレポップ云々のイメージも強いが、
サポート・メンバーによるものながら生ドラムも使った音は十分肉体的であり、
無機的なようでアナログ感に覆われて肉感的である。
ポスト・パンク以降の発声ながらヴォーカルは意外とストロング・スタイルだし、
ピアノと歌で綴る曲は剥き出しだ。
結成が同時代のNEW ORDERに加えてMUSEも余裕で飲み込んだ音楽胃袋の強さと広さと深さである。

リーダーのマーティン・ゴア(g他)の“ゴア”は本名のファミリー・ネームのようだが、
デス・メタル用語でお馴染みの“gore”と伊達に名乗り続けてない生々しさ。
テクノ云々のではなく意外とギターが基のロックだから骨太だ。
ロックンロールから派生したスタイルの曲をやっているし、
このCDにもロカビリーのリズムやブルースのスケールも曲も入っている。
クラブに媚びは売らない。

パンク・ロックの歯切れの良さの音はコシが強く、
このライヴでもいっぱいのダイナミズムは、
MEGADETHに問題作『Risk』(99年)を“作らせた”バンドというのも納得だし、
ここにメタルのギター・リフが入ったら最近のIN FLAMESの曲にもなるぐらいである。
なぜDEPECHE MODEが多方面のファンやミュージシャンを虜にするかがダイレクトにわかるCDだ。


★デペッシュ・モード『ライヴ・イン・ベルリン』(ソニー・ミュージックエンタテインメント SICP 4347~8)2CD
四つ折り紙ジャケット仕様。
8ページのオリジナル・ブックレットに加え、
日本盤はスタジオ録音ヴァージョンの歌詞と和訳などが読みやすく載った32ページのブックレットも封入。


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コメント

ニューウェーブは、ドロドロなものしか聴いて来なかったんで、これを機にちゃんと聴いてみようと思い、安価で昔のアルバムを今日買いました。
正直、スルーしてきた事を悔やむほどの内容でした。
リピートして聴いています。
こんなに熱い人達だったんですね。

LIFEさん、書き込みありがとうございます。
僕もドロドロしたものを当時好んで聴いていてポップなものを素直に受け入れませんでしたが、極初期は、抜けてYAZOOを始めたヴィンス・クラークの影響も大きかったのでしょう。熱い・・・確かにそうですね。

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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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