なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

Steve Ignorant『The Last Supper』

Steve Ignorant - The Last Supper, Shepherds Bush Empire


CRASSの男性ヴォーカルのパートを担当していたフロントマンの2011年11月のライヴ。
ほぼ同内容のDVDと2枚のCDがセットになっている仕様だ。
Crassical Collection”と題されたCRASSのリイシュー・シリーズ・リリース真っ只中の時期のステージで、
SOUTHERN RecordsからのそのリイシューCDを直で通販した時に同封されていた
このライヴのフライヤーから察するに、
当日はLAST SUPPER(というバンド)名義でライヴが行なわれたと思われる。


DVDの本編は105分で全35曲。
ほぼCRASSの曲オンリーながら渋い曲もけっこうやっている。
会場は先日紹介した『Feeding Of The 5000』と同じだが、
撮影や編集はもっとプロフェッショナル。
スティーヴ・イグノラント(vo)をはじめとして一つのバンドっぽいパフォーマンスももっとパワフルだ。

ときおりラップトップで効果音なども流しているようだが、
基本的な演奏者は3人でシンプルに迫る。
ギターは前述の『Feeding Of The 5000』にも参加した元ENGLISH DOGS~JANUS STARKのグラハム・バットだが、
こちらでは一人で弾いていて多彩なギターに加えてバッキング・ヴォーカルでも活躍。
ドラムのスパイク・T・スミスも熱演だ。
ベースは現在スティーヴとSLICE OF LIFEをやっているピート・ウィルソン。
『Penis Envy』の曲などの大半の女性ヴォーカルのパートは同じくSLICE OF LIFEのキャロル・ホッジが担当し、
CRASSのイヴに近いニュアンスの歌い方で健闘している。
CRASSの曲は言葉数が多くてずっと歌い続けるのは難儀だから
スティーヴの“休憩タイム”として彼女のコーナーも設けているとも思われるが、
いいアクセントだ。
「Big A Little A」のオープニングのアカペラは5人の子供が歌っている。


終盤に“サプライズ”が訪れる。
まずはCRASSのリーダーだったペニー・リンボーが登場し、
スティーヴのヴォーカルとペニーの簡素ドラムだけというCRASSの極初期のデモ録音と同じ編成で
CRASSの極初期の曲「Do They Owe Us A Living?」を披露。
続いてCRASSの大半の女性ヴォーカル・パートを歌っていたイヴ・リバティーンと、
90~2000年代はBUZZCOCKSのベーシストだったトニー・バーバー(元LACK OF KNOWLEDGE)が登場し、
ペニーと3人で「Darling」をアヴァンギャルドなヴァージョンで披露。
スティーヴは3人のプレイをうつむきながら聴き入っていたが、
その後三人がステージで抱き合うシーンはベタだが感動してしまった。
険悪な関係ではないだろうが映画『クラス:ゼア・イズ・ノー・オーソリティ・バット・ユアセルフ』でも明らかなように、
スティーヴとペニー+イヴは根本的な価値観やCRASS以降のライフ・スタイルが異なっており、
スティーヴがCRASSの曲をやり続けてきたことに対してペニーらがポジティヴに思ってないと想像できるだけに、
感慨深い。

さらにペニーとイヴがステージから去った直後のスティーヴ、
胸がいっぱいになったのか長めのMCが上手くしゃべれていない。
続いてRUTSの「West One (Shine On Me)」のカヴァー。
さらにイヴが「Shaved Women」の終盤にも登場してスクリームを轟かせ、
そしてラスト・ナンバーの「Bloody Revolution」の終盤では
感極まったのかスティーヴがちゃんと歌えてないのであった。


DVDの特典映像は、
スティーヴによるライヴ全編のオーディオ・コメンタリーが付き、
さらに“ライフボートのドキュメンタリー”と題された約14分の映像、
そしてスティーヴとLAST SUPPERの女性シンガーとベーシストとスティーヴのパートナーと
海上救助隊と思しきライフボートのクルーのインタヴューである。


CDにはDVDと同じ曲が2枚に分けて収められている。
スティーヴも含めてこのライヴのバンド・メンバー全員がCRASSのヴィジュアル・イメージと違うが、
音声だけ聴くとCRASSと名乗って活動しても問題がないぐらいビシッ!としたプレイだとよくわかる。


★Steve Ignorant『The Last Supper』(GONZO DIM-GZ001DVD)DVD+2CD
一般的なCDサイズの厚手でプラケース仕様。


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コメント

go crass

先に紹介されていた(feeding of the 5000)は売り切れだったのですが、(>_<)この商品は本日届きました!
内容はこちらのブログで書かれている通りで大満足でした(^^)

Youtubeに沢山ある3-4年前のこの日の動画は素人録りですが、この商品はプロが撮影、編集しているので違う印象です。

買って良かったです☆

余分三兄弟+さん、書き込みありがとうございます。
この映像は世に出すこと前提で撮影されたのでしょうね。
ただ数台のカメラで撮った単なるライヴもののとは違い、全体がドラマみたいにドラマチックな構成で何度も見られると思います。

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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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