なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

ARCH ENEMY『Stolen Life』

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スウェーデンの“メロディック・エクストリーム・メタル・バンド”の来日記念盤。
日本独自企画の約29分9曲入りCDである。
オリジナル・アルバムには収まりきれないARCH ENEMYの秘められた魅力が詰まっており、
ある意味ファン泣かせで細かく音源を発表するバンドだけに
ファンが欲しいレア音源が入手しやすい形でまとめられている好企画盤だ。


CDタイトル曲の1曲目は本作に近いジャケットの昨年の最新作『War Eternal』の収録曲だが、
NEVERMOREのメンバーとして知られてARCH ENEMYには2014年終盤から参加している
ジェフ・ルーミス(g)のギター・ソロを重ねた“2015年ヴァージョン”。
3月上旬に行なわれた日本ツアーの初日の2日の公演で
リーダーのマイケル・アモット(g)に臆せずギターを弾いてソロ演奏もビシッ!とキメる姿を観ても思ったが、
意外と落ち着かないマイケルの“ギター・パートナー”としての相性バッチリとわかるヴァーションだ。

2曲目の「Shadow On The Wall」は『War Eternal』の海外デジパックCDのボーナス・トラックで、
マイク・オールドフィールドのカヴァー。
映画『エクソシスト』にも曲が一部使われた傑作『Tubular Bells』で知られる英国のプログレ系音楽家が、
ゲストを迎えた歌ものが後半を占める異色代表作『Crises』で発表した曲だが、
意外なようでジャスト!な仕上がりである。

3曲目「Nitad」と4曲目「When The Innocent Die」は、
ファン泣かせの独占音源を毎度収める米国のメタル系雑誌『Decibel』の付録ソノシートに提供した曲。
前者はMODERAT LIKVIDATION、
後者はANTI CIMEX、
つまり共に80年代前半にスウェーデンのハードコア・パンク・バンドが発表した曲のカヴァーである。
CARCASSのギタリストとして“ラウド・パーク 08”出演のために来日した際に
マイケル・アモットは東京・新宿のNATレコードを訪れてANTI CIMEXの7”EPを探していたという。
BURRN!誌の連載コラムでも明らかなようにマイケルはメタルだけでなくハードコア・パンク、
とりわけガキの頃に親しんだ母国の80年代バンドに対する思いは格別のようだ。
んで、これがまた、なかなかのraw具合のクラスティ・テイストでイケる。
最新作『War Eternal』からの新メンバーであるアリッサ・ホワイト・グルーズのヴォーカルも荒くてバッチリ。
いい意味でマイケルが一生ここいらのサウンドから逃れられないことがわかるグレイト・カヴァーである。

そしてCD後半の5曲目から9曲目までは『War Eternal』の曲のデモ・ヴァージョン。
“2013 Demo”とクレジットされているが、
ヴォーカルは現メンバーのアリッサ・ホワイト・グルーズだ。
デモといってもギター・ソロもしっかり挿入されていてビシッ!と仕上げられたほぼ完成形で、
メタル・ファンの方も納得のヴァージョンである。
と同時にやはり少なからず粗削りだからクラスティなファンの方の崩れた琴線も揺さぶるヴァージョンで、
ハードコア・パンク・カヴァー連発に続いてコレ!という曲の流れにした編集も見事だ。


このCDを聴くと先日の3月2日に渋谷O-EASTで観たライヴでのヴィジュアルが蘇る。
このCDには一曲ちょい役で参加しているだけだが、
新ギタリストのジェフも背は高い細身でクールな王道を行っていたし、
アリッサ・ホワイト・グルーズも首から上の黒ギャル系と首から下の肉感性のルックスで動きもパンチが効いていた。
メンバー全員わりと大柄で長髪というのはメタル云々以前にロックとして見栄えが良く、
ARCH ENEMYの音楽にもピッタリ!なのであった。


税抜1500円というお買い得価格もうれしいファン必携のオススメ盤。


★アーチ・エネミー『ストレーン・ライフ』[来日記念盤](トゥルーパー・エンタテインメント QATE-10072)CD
バンドの近況も記した奥野高久執筆のライナーとCDタイトル曲の歌詞/和訳が載った8ページのブックレットと
ロゴ・ステッカー封入。


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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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