なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

TORCHE『Restarter』

TORCHE『Restarter』


FLOORを実質的な母体バンドとし、
2000年代の半ばから活動している米国南部フロリダのマイアミ出身の“ヘヴィ・ロック進化形バンド”、
TORCHE(トーチ)による約3年ぶりの4作目のフル・アルバム。
前作『Harmonicraft』に引き続き録音とプロデュースはベーシストが行ない、
セカンド『Meanderthal』(2008年)からの付き合いのカート・バルー(CONVERGE)がミックスし、
大味になりかねない曲をダイナミックで緻密な音作りによりデリケイトに仕上げている。

パッ!と聴いてすぐTORCHE!とわかる研ぎ澄まされた音像に磨きがかけられている。
やはり“ストーナー・ポップ”とも“スラッジ・ポップ”とも言いたくなるサウンドだが、
間違っても“ポップ・ストーナー”や“ポップ・スラッジ”ではない。
ストーナー&スラッジのテイストがずっしりとアタックしてくる重量感に圧倒されるのだ。
ぞれでいて甘くハジけている。
シューゲイザーをファックして産まれて拡散した熾烈なカオティック・ギターも聴きどころだが、
曲によって色々なスタイルを我流で“進化”させてもいる。
ワン・コードのブルースみたいな加速度の曲あり、
RAMONESの応用みたいな曲あり、
16 meets GREENMACHiNE”と言うべき曲ありで、
8分半を越えるラスト・ナンバーはトランス・ロックを侵食したデス・ロック/ポジティヴ・パンクのようだ。

前作ほどの突き抜け感がない代わりに、
より沈降しながらも光輝きタイトにポップというTORCHEにしかできないサウンドである。
SHITSTORMやMEHKAGO N.T.などでヤサグレた音を叩き出し、
MOSSWOLDのカセット作品もリリースしているROTTING CHAPELレーベル主宰のドラマーによる、
奇才センス満々のタメの効いたウルトラ・パワフルなビートもまたまた素晴らしい

ヴォーカルによってはアルバム全体がメロウにもなりかねない作風だが、
いい具合に喉がまったりヘタレている。
切ないのにドライな飄々とした歌い口で、
ジョン・フォガティみたいな適度に田舎臭いメロディ・ラインがアメリカンど真ん中で憎めない。

今回もお見事。


★TORCHE『Restarter』(RELAPSE RR7268)CD
窓の部分くり抜きエンボス加工のスリップケース付の約39分10曲入り。


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コメント

まだ聴き込んでないですが、
想像していたとおり、"ズブズブ"な音を追求してきた感じを持ちました。
欲を言えば、弾けた音で飛ばす曲も入れて欲しかったですが。

自分は、"グランジ"、"オルタナ"のようなカテゴリーに入る
バンドのもつある種の暗さに惹かれるので、
その点でTORCHEは自分のツボを刺激してくれます。

最近だとジャンルは違いますが、WHITELUNGもそれら90年代の音楽を自己流に消化して素晴らしい音楽を作っていると思います。

ところで、行川さんはMASTDONのLIVEは行かれましたか?
もし行かれたようでしたら、感想を伺えれば幸いです。


いつもエキサイティングな文章に刺激をいただいております。
ありがとうございます。

溝口さん、書き込みありがとうございます。
TORCHEの新作はハジけた曲が目立った前作ほどは興奮しなかったのですが、やはり良作ですね。
グランジ/オルタナティヴ・ロックのフットワークの軽い感覚も強いからこそ、TORCHEはヘヴィ・メタル寄りのスラッジ/ストーナー勢とは一線を画していると思います。WHITE LUNGの涼しい響きも、やはりオルタナティヴ・ロックの色を吸っていますね。リアル・タイムでのめり込んだ音楽だったのだと思います、両バンドとも。
MASTODONはさぼってしまいました。スイマセン・・・最近こればっかりで。
“エキサイティングな文章に刺激”という言葉、うれしいです。そういうものを目指しているところもあるので。
精進します。

返信ありがとございます。

MASTDONは最新アルバムの音のクオリティをLIVEでも
再現できていて良かったです。

4人のヴィジュアルは洗練さとMETAL伝統のむさく苦しさが両方あって、あの雰囲気のバンドって他にいないなと感じました。

溝口さん、ありがとうございます。
MASTODONはラウドパーク以来観てないんですよ。ライヴの感想にも感謝します。あのアルバムのクオリティを再現できていたとは、さすがです。ヴィジュアルに注目されたところも嬉しいです。“洗練さとMETAL伝統のむさく苦しさが両方”・・・上手い表現ですね・・・彼らの音楽と同じですね。たとえ変わった髪型や服装にしなくても、やっぱりヴィジュアルは大切なのです。

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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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