なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

INU『メシ喰うな!』

INU『メシ喰うな!』


1981年3月にジャパン・レコードから発売された唯一のオリジナル・アルバムの再発盤。
ライナーを書かせてもらいました。


収録曲はオリジナルLPと同じながら、
今回はSHM-CDでのリイシューだ。
最新デジタル・リマスタリングも施されている。

町田康が町田町蔵と名乗っていた18歳の頃に録音したアルバム・デビュー盤でもある。
言うまでもなく世界レベルでのロックの名盤なわけだが、
僕は本作をパンクがキーワードの自分の本や企画で含めるか外すかいつも悩む。
今聴いてもパンク・ロックというよりはポスト・パンク寄りのサウンドで、
僕は当時PUBLIC IMAGE LTD.(PiL)The POP GROUPと並べて聴いていたが、
スタジオ・レコーディングならではの凝ったアレンジや音作りも世界に類を見ない面白さだ。

今までLPしか持ってなかったからこれまで発売されたCDとの聴き比べはできないが、
ポップ感が際立つ音の仕上がりのである。
音がハジけている。
もちろんギターもベースもドラムもLPより前に出ているし、
LPではあまり聞こえてこなかった音声もはっきりと聞こえてくる。

町田のヴォーカルも他の作品よりはポップだが、
やはりジャケットどおりの形相の歌声である。

アナーキーの80年のデビュー・アルバムを聴いた時は胸倉をつかまれた気持ちになったが、
当時このアルバムを初めて聴いた時、
ジャケットどおりに振り向かれてガンつけられた気分になった。
SEX PISTOLSを思い出す黄色が背景ながら
手垢にまみれた不良が甘ちゃんにしか見えなくなるほど血走った町田の顔ジャケも相まって、
怖かった。
ナイーヴで底が見える反逆ソングとは別次元の歌詞も、
当時18歳になったばかりの僕は大いに衝撃を受けてシンパシーを覚えたしだい。
人間に対する“いらだち”と厳しい視線は深く、
“ダムダム弾”のようにブッ飛んで挑戦的ながら頓智の効いた庶民的な町田の言語感覚は
この当時から冴えわたっていた。
むろんそういった言葉もこの声とこの音とで感じてこそはらわたを揺さぶるのである。


★INU『メシ喰うな!』(徳間ジャパン TKCA10113)SHM-CD
約35分11曲入り。
紙ジャケット自体はオリジナルLPとは違って厚手で“つるつる”の質感だが、
歌詞が載ったインナー・シートはオリジナルLPのデザインと紙質に準じた作りになっている。


スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事へのトラックバックURL
http://hardasarock.blog54.fc2.com/tb.php/1460-6058fcde

 | HOME | 

文字サイズの変更

プロフィール

行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

未分類 (9)
HEAVY ROCK (241)
JOB/WORK (293)
映画 (257)
PUNK ROCK/HARDCORE (0)
METAL (43)
METAL/HARDCORE (48)
PUNK/HARDCORE (419)
EXTREME METAL (129)
UNDERGROUND? (96)
ALTERNATIVE ROCK/NEW WAVE (122)
FEMALE SINGER (42)
POPULAR MUSIC (25)
ROCK (83)
本 (9)

FC2カウンター

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QRコード

FC2Ad

Template by たけやん