なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

MINSK『The Crash And The Draw』

MINSK『The Crash And The Draw』


米国シカゴの“ヘヴィ・ロック進化形バンド”による約6年ぶりの4作目のフル・アルバム。
前作『With Echoes In The Movement Of Stone』でベースを弾き、
BRUTAL TRUTHの『Evolution Through Revolution』(2009年)のプロデュースや、
EYEHATEGODの最新作『Eyehategod』のミックスも手掛けた
サンフォード・パーカーがMINSKと一緒にプロデュースしている。

6年間じっくりと練って満を持した力作である。

『Through Silver In Blood』(96年)と『Times Of Grace』(99年)の間ぐらい、
つまり“ポスト・メタル”扱いされる前のNEUROSISの流れを更新したかの如き、
スロー・チューン主体のヘヴィ・ロックだ。
いわゆるマス・ロックに分類されそうだが、
頭で音楽をやってない。

12分半のオープニング・ナンバーと10分半のラスト・ナンバーに代表されるように曲は長めだ。
反復するヘヴィ・リフを核にしつつ静かなパートも多く、
『A Saucerful of Secrets』(68年)~『Meddle』(71年)あたりのPINK FLOYDや、
叙情的な曲をやるときの70年代のKING CRIMSON、
あるいはLED ZEPPELINの「Rain Song」や「No Quarter」あたりの繊細な感覚も宿っている。
一方でプリミティヴなビートを絡める曲はAMON DUULをモダンにアップデートしたかのようだ。

ハードコア・スタイルの濁声に頼らず、
フォーキーなパートでは穏やかな歌声も聴かせる。
底が見える芝居がかったわざとらしい歌い方じゃなく“作って”ないナチュラルなヴォーカルだ。
ひとつひとつの言葉を“苦汁”で綴った歌詞も鮮やかな苦渋の色で覆われ、
突き抜けようとしている。

あまり曲間を空けずに展開されるアルバムの構成も含めて、
ハードコア通過後の現在進行形のヘヴィ・プログレッシヴ・ロックとしてじっくり向き合える一枚。


★ミンスク『ザ・クラッシュ・アンド・ザ・ドロウ』(リラプス・ジャパン RLIP1352)CD
約76分11曲入り。
日本仕様版には歌詞の和訳が付いているが、
4曲目の「Onward Procession」は四部構成の個々でCDのトラックが分かれているから
聴きながら照らし合わせて見る時に注意。


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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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