なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

レコード・コレクターズ増刊の本『USパンク〜オルタナティヴ(ディスク・セレクション・シリーズ)』

『ディスク・セレクション・シリーズ USパンク〜オルタナティヴ』
定価1543円(本体1429円)
オール・カラー四六判192ページ

計17タイトルのアルバムとDINOSAUR JRのプロフィールを書かせてもらいました。


全部で何タイトル取り上げられているのかわからないが、
大枠1ページで小枠が半ページといった具合にアルバムごとの字数は多めだ。
“USパンク〜オルタナティヴ”をキーワードに、
RED KRAYOLAのように60年代から活動しているアーティストも含めて
70年代から91年までのアルバムに絞られている。
大半のアーティストは1タイトルのみだが、
NEW YORK DOLLSをはじめとするプロフィール付の15の“ピックアップ・アーティスト”などは複数枚で、
一番多いアーティストだとTALKING HEADS関連の9タイトルだ。

特に一タイトルしかセレクトされてないアーティストは
わりと一般的に代表作とされるアルバムの一つか二つ前ぐらいの作品が選ばれているのも特徴で、
そういうセレクションの妙味で、
一アーティストとして“完成直前”の時期が
“パンク〜オルタナティヴ”として一番エキサイティングなのかもしれないと今回思わされた。
あと逆に一般的に代表作とされるアルバムの一つか二つ後ぐらいの作品が選ばれているアーティストもいるが、
それらはストロング・スタイルから移行して柔軟な“オルタナティヴ度”を強めたアルバムと言える。


本の内容と直接関係ないが、
昔のアルバムなどを書く際の毎度のことで今回もレコードやCDの“重み”を再認識した。
自分の管理が悪いせいでもあるのだが、
10~20~30(今回そこまでインターバルが空いたのはなかったが)年ぶりとかで古いレコードやCDを取り出して、
経年等による盤やジャケットの傷みや汚れなどに複雑な気持ちになる反面、
中身の音楽だけでなくそういう部分でレコードやCD自体も生き物だとあらためて思う。
生き物というか匂いなども含めて人間そのものだ。
CDでさえそう実感する。
昔の思い出に浸る趣味がない僕でさえ“このレコードはあそこで買ったな・・・”と懐古もしてしまった。
いわゆるデータだけで音楽聞いていたらどんだけ味気ないかとも想像できるし、
音楽文化云々の将来みたいなことを思ったら薄ら寒くなってヤバいと考えてしまった。


それはともかく今回、
MELVINSは『Gluey Porch Treatment』、
HELMETは『Strap It On』を書かせてもらったのだが、
どちらも久々に聴いて目が覚めた。
名盤同士ということを抜きにしてもレコードの恐ろしさと可能性にあらためて畏れおののいた。
スピーカーの間で革命が起こっているサウンドなのだ。
2枚ともオリジナルLPしか持ってないから他のフォーマットのものと今すぐには聴き比べられないが、
この音像はCDでは無理だろう。

かといってCDを否定はしない。
たとえば60~70年代のアルバムをLPで今再発しても別物の音になってしまうように、
今『Gluey Porch Treatment』や『Strap It On』をLPで再発しても違った音になってしまうだろう。
今までの経験だと昔のアルバムをリイシューするなら
“アップデート版”みたいな感じで潔くCDがベターだと思う。
新作のリリースでCDとレコードの両方買ったケースでも最近だと前者の方が生き生きと聞こえるパターンが多い。
ただ少なくてもリアル・タイムに近い時期に製造された90年代初頭あたりまでのレコードはすべて確実に、
いわゆるオリジナル盤でなくても日本盤でもリリース当時の空気までもが“レコーディング”されている。
あらためて音楽の生き物でデリケイトなものだと気づかされた。

音楽に限らず映画でも文章でもなんでも熱度のないやつは死んだようなもんだから。


スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事へのトラックバックURL
http://hardasarock.blog54.fc2.com/tb.php/1489-7f776278

 | HOME | 

文字サイズの変更

プロフィール

行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

未分類 (9)
HEAVY ROCK (241)
JOB/WORK (292)
映画 (257)
PUNK ROCK/HARDCORE (0)
METAL (43)
METAL/HARDCORE (48)
PUNK/HARDCORE (419)
EXTREME METAL (129)
UNDERGROUND? (96)
ALTERNATIVE ROCK/NEW WAVE (122)
FEMALE SINGER (42)
POPULAR MUSIC (25)
ROCK (83)
本 (9)

FC2カウンター

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QRコード

FC2Ad

Template by たけやん