なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

DRAGONFORCE『In The Line Of Fire』(ライヴ・イン・ジャパン)

DRAGONFORCE『In The Line Of Fire』


1999年から活動を続ける英国の“マキシマム”メロディック・スピード・メタル・バンド、
DRAGONFORCEが昨年10月18日に“さいたまスーパーアリーナ”で行なったライヴ、
つまりメタル・イベントの“ラウドパーク14”でのステージを収めた作品。
パッケージがトールケースということが象徴するようにDVDメインの初のライヴ映像作品と言えそうだが、
ボーナスCD付である。


どちらも“ラウドパーク14”のライヴがメインながら丸っきり同じ内容というわけではない。
109分のDVDは、
ジョニー・キャッシュの「Ring Of Fire」のカヴァーを含む“ラウドパーク14”のライヴ10曲の曲間に、
日本などでのオフステージの様子や6人のメンバーを個々で紹介するコーナーなどを適度に挿入し、
10分ほどの特典映像が付き、
さらに日本盤は「The Game」が彼らの地元ロンドンでのライヴ映像で追加されている。
約75分のCDの方は、
まずDVDと同じ“ラウドパーク14”のライヴ10曲をストレートに収めた次に、
モニターのトラブルでバンドとしては不本意なプレイだったがゆえにDVDからはカットした
(が、聴いている分には何も問題がなく他の曲と同じくパーフェクトな演奏)
“ラウドパーク14”の日のオープニング・ナンバーの「Defenders」を加え、
さらにDVDと同じライヴの「The Game」でシメている。

適度にテンポ・チェンジしつつブラスト・ビートも込みでスラッシュ・メタル直前の速さをほぼキープし、
ツー・ビートで疾走するパートがメインの問答無用のメロディック・スピード・メタル一直線である。
ひたすらまっすぐ惜しげもなくキャッチーな曲の嵐で明快な音の連続。
もったいぶることなんてない。
迷いもない。
“言い訳”せずに音楽一直線。
そういったことがライヴだとより一層ダイレクトに伝わってくるのだ。
確信に満ちていることが肯定性あふれる硬質な響きに表われているからこそ、
他のバンドが目当てのお客さんも巻き込む。
ときたま適度に映し出されるフロアーを見ると全員大ノリノリだ。


DVDはポイントを押さえたカメラ・アングルも忙しすぎないカメラの切り替えの編集もパーフェクトである。
キャッチーな曲の中で炸裂するテクニカルなギター・プレイも長すぎず短すぎずに映し出す作りだし、
キメの細かいリズム・セクションの演奏も特筆すべきだし、
メンバー全員が取るコーラス・ワークもしっかり確認できる。
このライヴの数ヵ月前に加入して健闘しているジー・アンザローネ(ds)以外のメンバー5人は
“非据え置き型”の楽器を駆使するキーボードのメンバーも含めてよく動くから、
ヴィジュアル的にも躍動している。
スカッ!と喉ごしスッキリのパフォーマンスが
スカした音楽やレイドバックした音楽の百万光年先を疾走していることも、
シンプルながら鮮やかな色合いのライティングも相まってCD以上に伝わってくる映像なのだ。

DVDをライヴ・オンリーにしてないのは、
どんなに好きなバンドでもライヴばかり続くと途中でダレたりするがゆえの作りだろうし、
単なるライヴDVDではなくDRAGONFORCEの映像作品として仕上げられている
(ライヴのみを楽しみたい方はプログラミングや手動で挿入映像をスキップすれば可能)。
適度に挿入される曲間の映像は、
ところによってハーマン・リ(g)がナレーションを務めるなど工夫されている。
ファンとの交流のシーンをはじめとする2004年の来日時のオフステージの模様もバッチリで、
メンバー一人一人の紹介コーナーもファンには特にうれしいだろう。

実質“2部構成”の特典映像も計10分強の長さながらオマケ以上の面白さだ。
DVDに入っているライヴの合間の映像の“庶民ヴァージョン”で、
昔ながらの“外タレ日本探索!”みたいなノリで笑えるし色々と興味深い。
“第一部”はライヴのMCで日本語を多用するマーク・ハドソン(vo)がリードし、
途中からヴァジーム・プルジャーノフ(kbd)が“参戦”して東京・渋谷などを散策しながら猫カフェを目指す。
“第二部”の方はフレデリク・ルクレルク(b)が東京・新宿東口を徘徊した後に“ガンダム見学”を試みるが、
「(ガンダムが)DRAGONFORCEの音楽に影響を与えている。
メンバー全員日本のビデオゲームが大好きで、間違いなく影響を与えている」という彼の発言は事実だろう。

メンバーによってはクラシック音楽も親しんでいるのだろうが、
いわゆる民謡や俗歌のようなメロディも織り込まれ、
メイン・ソングライターの一人のサム・トットマン(g)がBATHORYのTシャツを着ていたりするなど、
メンバーの音楽趣味の幅広さが音のダシになっているバンドである。
そんな中でもロマン溢れまくるメロディを噴き出しながら疾走してキャッチーに盛り上がる楽曲構成が、
日本のアニメや実写戦隊モノ、特にSF系のテーマ・ソングや挿入歌に通じるからだ。


ファン必携なのはもちろんのこと
DRAGONFORCEを知る最初のブツとしても最適の2枚組である。


★ドラゴン・フォース『イン・ザ・ライン・オブ・ファイアー~ライヴ・イン・ジャパン』
12ページのオリジナル・ブックレット封入。
日本盤は字幕と上記のボーナス・トラックが付き、
ハーマン・リ(g)のライナー(和訳のみ)と歌詞が載った16ページのミニ・ブックレットも封入。


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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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