なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

EARTH CRISIS『The Discipline』

EARTH CRISIS『The Discipline』


ニュースクール・ハードコアを代表するニューヨーク州郊外のシラキュース出身のバンドが、
アルバム『Salvation Of Innocents』以来のリリースとして数ヵ月前に出した約13分4曲入り。
80年代の末に結成され、
2000年代半ばの活動停止期間を挟みつつコンスタントに活動しており、
このCDでもブレのない健在ぶりを鋼のサウンドと歌詞で示している。

CDタイトル曲でもあるオープニング・ナンバーは曲名からしてまさに、
ヴィーガン・ストレート・エッジの急先鋒として90年代前半にシーンを切り開いたEARTH CRISISらしい。
むろん彼らのように完全菜食主義のストレート・エッジになる必要はないが、
結局“discipline”というのは自分のことは自分でして自分で責任を取るようなもんだ。
ほとん心身を鍛えないと生きていけない。
不穏なほどドゥーミーなサウンドも心身に響く。

2曲目の「Behind The Mask」は、
歴史的なデビューEP『All Out War』をリリースした92年のデモ制作時点で録っていた曲のニュー・レコーディング。
アルペジオ込みで、
音楽性以外でもEARTH CRIRISが影響を認めているCARCASS(特に『HEARTWORK』)のリフの応用にも聞こえる。

3曲目の「New Ethic」は、
様々なことを題材にしているバンドとはいえEARTH CRISISのイメージを決定づけた“動物倫理”に関する曲。
ヴィーガニズムは動物がかわいそうというモチーフだけではなく政治/社会/環境問題につながるわけで、
この曲も単純な内容ではない。
ナタや牛刀の如く振り下ろされるリフに耳を傾けると、
“斬首される豚や牛や鶏の身や気持ちになって共食いのつもりで肉を喰え!”
という声も聞こえてきそうな曲だ。

ラストは音楽的にも歌詞的にも原点を見つめ直す「Time Of Strife」。

パンク・ロックに端を発するハードコアの定義を塗り替えたメタリックな音と全身全霊のヴォーカルで
CONFLICTにも通じる戦闘的な歌詞だが、
他者の悪口を言うだけでなくより自己も厳しく追いつめるような内容で全編貫かれている。
EARTH CRISISとは考え方が違う部は僕にもあるが、
何に対しても言えるように“違ってることは素晴らしい”わけだし、
だからこそ大いに触発される。
オススメ。


★EARTH CRISIS『The Discipline』(BULLET TOOTH BT042)CD


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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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