REFUSED『Freedom』
2015-09-14

AC4を始めるずっと前の91年からデニス・リクセゼン(vo)がフロントに立ち、
90年代以降のスウェーデンを代表するハードコア系バンドの17年ぶり4作目のフル・アルバム。
ライナーを書かせてもらいました。
例によってここではその内容とあまりダブらないように紹介したい。
スウェーデンのパンク/ハードコア系をある程度幅広く聴いている方なら、
奇才デニス・リクセゼンが関わってきたバンドの何か一つは御存知ではないだろうか。
インディペンデント・レーベルのNy Våg,Recordsも主宰し、
国外にもフォロワー多数のMASSHYSTERIやBOMBETTESをはじめとして。
スウェーデン北部の地元Umeåのパンク・ロック/ハードコア・パンクのバンドを世に送り出してもきた。
でもそういう“地下活動”をしているだけの人ではないから、
彼が多数自分でやってきているバンドの何か一つを耳にした方も多いだろう。
その中でもREFUSEDが“停止”していた90年代終盤から10年ほど活動した、
ガレージ・ソウル・ロックンロール・バンドのThe(INTERNATIONAL)NOISE CONSPIRASYが
知られているかもしれない。
REFUSEDの新作『Refused』には、
ハードコア・スタイルに留まらないヴォーカル(だがむろんエモいのは無し)も含めて、
The(INTERNATIONAL)NOISE CONSPIRASYのソウル・ミュージック色も多少溶け込んでいる。
適宜ホーンやコーラスなどをゲストが挿入しているが、
AT THE DRIVE-IN周辺が好きな方にも引っかかるアルバムでもある。
EARTH CRISISっぽくもあった初期の名残のメタル・リフも多少組み込みつつ、
ポスト・パンクやポスト・ハードコアをダイナミックなロックとして多彩にふくらませてもいる。
エンジニア初期の作品の一つがPUBLIC IMAGE LTD.の『Flowers Of Romance』という、
ニック・ラウネイがほとんどの曲をプロデュースしているのも象徴的だ。
歌詞もデリケイトかつインテリジェンスに富む。
フロントマンのデニス・リクセゼンはメジャー・シーンに絡みつつ、
昔も今もずっとコテコテにポリティカルだ。
とはいえThe(INTERNATIONAL)NOISE CONSPIRASYの初期に感じられた理屈っぽさを突き抜け、
表現が肉体と精神を伴っていて恐ろしくディープだ。
視野も広く、
内向き志向のエゴ丸出しで自分の家族や国のことしか関心がない歌詞とは深みの次元が違う。
個人的にはデニスを見直した。
説明的でシニカルでもあった前3作に対し、
ひと言で言い切ったアルバム・タイトルにすべてが表われている。
自信作の一枚。
★リフューズド『フリーダム』(ソニー・ミュージックエンタテインメント SICX 14)CD
16ページのオリジナル・フックレットに加え、
日本盤のみボーナス・トラックとして「Stolen Voices」が追加され、
迫田はつみによる注釈付きの丁寧な歌詞(本編の曲のみ)の和訳が読みやすく載った別ブックレットも封入。
9月23日(水)発売。
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