なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

ACID『Acid』

ACID.jpg


女性シンガーを擁して80年代前半に活動した、
5人編成のベルギー産ヘヴィ・メタル・バンドによる83年1月発表のファースト・アルバムのリイシュー盤。
念のために書いておくと80年代後半に活動した東京の同名ハードコア・パンク・バンドとは関係ない。

MOTORHEADVENOM meets 初期IRON MAIDEN with 速い曲の時のJUDAS PRIEST
といった様相のサウンドだ。
ツー・ビートがアップテンポのブルースとリンクして何気にロックンロールがベースにある楽曲だし、
オールド・ハード・ロック直系のギター・ソロも渋い。
メタル・パンクともパンク・メタルとも言えるラフ・プレイの連続もたのもしく、
メタルもパンクもまとめて引き受けたロックンロール以外のなにものでもない。
粗削りで金属臭プンプンのギターをはじめとして音の響きそのものが熱く、
体裁なんか気にせずに何かを創造せんとするエナジーにむせかえるばかりなのだ。
一方で静かなパートはバンド名にふさわしく初期UFOみたいにサイケデリックですらあり、
さりげなく深いのであった。

サタニック&ボンデージ+ガンベルトというパーフェクトな衣装でステージに立った、
女性シンガーの歌唱も妙な作為がなくてこそばゆい。
天然でやっているからこそほのかに漂う妖気と色気に肝っ玉がとろける。
歌詞は英語と思われるが、
“hell”“Demon”“Devils”“Satan”といった“暗黒ヘヴィ・メタル用語”を使った曲名からも、
気合がムンムン感じられる。

DISCHARGEの84年の7”シングル「Price Of Silence」の先を行っていたジャケットも微妙にクールだ。
なんとも言えない味わいでここにも熱情が溢れている。
外道メタルが好きなメタラーはもちろんのこと、
メタル大好きパンクスの120%がイケること間違い無しなんである。

メンバー全員に行なった今年の長編インタヴュー(PART 1)と写真で彩った16ページのブレットも含めて、
たいへん丁寧な作りのグレイト・リイシューだ。
メタル云々以前にロックとって音楽にとって表現にとって大切なことを思い起こさせもするほど、
新鮮な発見ありありで大スイセン。


★ACID『Acid』(HNE HNECD057)CD
本編の2曲の別ヴァーションがA/B面の82年のデビュー・シングルと、
本編の2曲のデモ・ヴァージョンが追加された約53分14曲入り。
今年リマスタリングされた音が使われている。


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コメント

おっと

全くの偶然ですが、セカンド・アルバムを中古で手に入れたばかりです(笑)。
ファーストは未聴ですが、確かにこのバンド、いいですね。
女性ヴォーカルの歌唱も、確かに無理に男勝りにしてやろうみたいなところがなく、好感が持てます。

どのバンドとはいいませんが、近年の、確かに演奏はカッチリしてるけど整えられすぎて何が面白いのか...みたいな一部の「メタルコア」みたいのに比べたら、こっちの方がよほど「加速してる」し、「熱い」と思います。

数年前まで、輸入盤で買いやすかったライブ盤しか聴いた事がなかったんですが、最近レコード屋に並んでて気になっていました。
これは、いかないと損しそうです。

日曜日のExploitedで身体がまだ痛いです(笑)

Re: おっと

書き込みありがとうございます。

>Fripperさん
色々とチェックされていますね。パンク好きでしたらセカンド以上にハマると思います。ヴォーカルがヘヴィ・メタリックになってない・・・というか無理してそれ狙わず自然なところも好きです。つぶれているから加速度も熱度も格別なのです。
近年のメタルコアも好きですが、やっぱりパンク心が少なからずあるとカッチリしすぎないのかなと。あとネット社会になって簡単にお勉強できて知識だけ詰め込んで頭デッカチで体裁を整えたカッチリしたものが、音楽も文章も多くなっているとも思います。

>LIFEさん
ライヴ盤がイケるのでしたら少なくてもこのファーストはイケると思います。
EXPLOITEDの東京公演は主催者に問い合わせたりもして行く気マンマンだったのですが、結局欠席してしまいました。身体が痛くなったのでしたらグレイトだったようですね。

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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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