なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

PRAHA DEPART at東京・六本木 SUPER DELUXE 2010年1月9日

プラハデパート


新年の計は元旦にあり!とは思わないが、
新年の計は最初に観たライヴにあり!というわけで、
ルー・リードの曲にならえばreal good time!であった。

六本木のスーパー・デラックスはライヴ・ハウスというよりもフリー・スペースというような趣で、
空間的にゆとりがあって殺風景な内装だからこそ椅子などのちょっとしたアイテムも光り、
精神的にも風通しのいい場所だ。
数種類のビールをはじめドリンクも充実していて紙コップじゃないから冷たい“口当たり”も楽しめる。
いわゆるステージはなくて同じ高さの“フロアー”での演奏だ。

この晩はシリーズ・イベントの“Test Tone vol.53 Festive Lifeboat Excursions”。
演奏の合間のDJも押しつけがましくなくて居心地が良く、
コンクリート剥き出しの壁を活かしたシンプルな映像効果も効果的だった。


そんな中で最初にプレイしたのがPRAHA DEPART。
東欧チェコの首都の名を引用したバンド・ネームからして素敵な、
2004年から活動している東京拠点のトリオである。
矢野真依(vo、b)、亀谷司(g)、山本淳平(ds)がメンバーで、
ずっとヴォーカル、ギター、ドラムという特異な編成で活動してきたが、
昨年から矢野がベースを弾きながら歌い始めた常に進化形のバンド。
数枚のCD-R作品や98年のCD『CHECK!』に続き、
昨年11月に2枚目のCDアルバム『UOU SAOU』を自主制作でリリース。
↑の画像は限定で発売しているその手作り紙ケースのジャケットだ。

初めて観たライヴで衝撃を受けたにもかかわらず1年数ヶ月もインターヴァルが空いてしまったのだが、
あらためてびっくりさせられた。
言語関係なく世界中にアピールする。
スタイル関係でなくホント音楽が好きなんだなぁ……という電流に痺れるバンドだ。


矢野がニューウェイヴ、
亀谷がPRAHA DEPARTの故郷である札幌出身のバンド~特にFOULをはじめとする90年代後半のバンド、
山本がパンク~とりわけいわゆる初期パンクが特に好きだという。
そういった要素をミックスしたサウンドだが、
無意識のうちにヘヴィ・ロックもブレンドされていてダイナミックに展開する。
途中で亀谷がマラカスを鳴らし、
矢野がサンバで使われる打楽器の3連のアゴゴを打つシーンも。
そういったラテン音楽、
さらに日本の音頭のリズムや民謡のフレーズも聞こえてきた。
何しろ自分自身の“言葉”の音楽で表現している。

矢野のベースはJOY DIVISONのようなモノトーンのニューウェイヴ・タッチでボトムを支え、
山本のドラミングはNOMEANSNOの『Wrong』のTシャツがうなずける変則的な前のめりビート。
亀谷のハードなギターはそういったリズム隊の上で楽しそうに踊る。
ビョークが日本語のコブシを効かせて歌っているようなヴォーカルにヤられる。
女優のようにいい意味で数役を演じているみたいな歌い方。
まっすぐに前を見据えて発する彼女の声には曇りがなく、
豪快かつデリケイトな歌いっぷりの良さも痛快極まりない。

メンバー全員が内なるビートに躍動していることがガンガン伝わってくるライヴ・パフォーマンス。
亀谷はフリーダ・カーロのTシャツを着るセンスも光り、
どんと(BO GUMBOS)も頭をよぎった華のあるファッションが目を引く。
矢野は民俗音楽の香り漂う服装。
楽器を持っているにもかかわらず二人ともよく動いてステージ映えする。
終演間際にバス・ドラムの上に立って最後に飛び降りた亀谷のベタなアクションも含めて、
単純にメンバーの動きがロックだ。
メタルやハードコアとは違うニューウェイヴ系、
矢野が好きなSLEATER-KINNEYあたりの女性バンドのロック感に近い。
柔軟ながらも強い芯がある。
息がしやすい自由な空間を生み出していてぼくも解き放たれていった。

チマチマしてないところも大好きだ。
まぎれもなく日本の土壌から生まれたことを強烈に臭わせつつ、
スケールが大きくて“コスモポリタン”とも言える音楽とパフォーマンス。
だからこの晩集まっていたたくさんの外国出身と思しき人たちも興奮させた。

PRAHA DEPARTには音楽の魅力と可能性がいっぱいだ。
開かれている。


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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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