なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

NEPENTHES『Scent』

NEPENTHES.jpg


CHURCH OF MISERYのフロントマンを“2期”務めたネギシ(vo)が率いる、
2012年結成の東京拠点のヘヴィ・ロック・バンドによるファースト・フル・アルバム。
このへんの音作りを熟知したETERNAL ELYSIUMのオカザキの録音とミックスとマスタリングも影響し、
ブルージーなドゥーム・ロックど真ん中の完成度の高い作品だ。

演奏者4人のメンバーを書いておくと、
SUTO(g)はネギシが2度目の脱退をする2011年にCHURCH OF MISERYのメンバーでEARTH BLOWでも弾く。
ZiGEN(g)と、
kuruucrew(狂うクルー)のIWAMOTOR(ds)は、
MARBLE SHEEP(≠MARBLE SHEEP & The RUN – DOWN SUN’S CHILDREN)でも演奏してきている。
ネギシは2010年代に入ってから
MARBLE SHEEPのリーダーのケン・マツタニらとHEAVY METAL GLUEをやっていただけに、
近年MARBLE SHEEPでプレイしてきている二人がメンバーになったのも不思議はない。
そしてしばらくベーシストを務めていた元MAD3のハルトに替わり
Mossa Hiro(b~FLOATERS、INSIDE CHARMER他)が加わってレコーディングに突入したのであった。

メンバー全員を見わせばベテラン揃いとは言い切れないが、
キャリアを積んでいる人たちならではの安定感バッチリのプレイを展開。
1曲目から大胆不敵に17分越えの曲をブチかますが、
アルバム全編にわたってフック十分の作りが光る。
聴かせどころを設けたソングライティングとアレンジで60分近くのCDを一気に聴かせ、
ツイン・ギターのハーモニーにも耳が引きつけられるのだ。
とことんヘヴィな音のロックだし、
アップテンポでドライヴする曲では最近の鉄アレイすら思わせる。
ただし骨の髄までメタル/パンク/ハードコアな人が在籍してない気のイイ面々ならではのサウンドで、
ライヴの雰囲気そのままのアットホームな空気感のエンタテインメント性がチャーム・ポイント。
大げさな“泣き”の旋律こそ聞こえてないとはいえ極太の浪花節メロディもさりげなく漏れてきて、
日本語の歌というのも相まって取っつきやすい。

CHURCH OF MISERYを最初に抜けた10年前ぐらいにライヴ・ハウスで出会った時に
ネギシは「日本語で歌うバンドをやりたい」と言っていたのだが、
その時たまたまCHURCH OF MISERYのリーダーでG.A.T.E.S.で活動を共にしているタツ・ミカミも一緒にいたから、
「G.A.T.E.S.も英語じゃないの?」とネギシに尋ねたら「それはそれ(苦笑)」というリアクションをしてくれた。
というわけで昔から日本語の歌に対するこだわりを少なからず持っていたネギシが、
一声で“ネギシ!”とわかる極悪歌唱に磨きをかけたヴォーカルも今回の聴きどころだ。
今回歌詞カードを付けてないし、
ライヴに近いバランスを狙ったのかヴォーカルのミックスも歌詞の一字一句が聴き取れる仕上がりではないが、
聞こえてくる言葉の選び方や律義で堂々たる歌いっぷりからは
マリア観音の熱心なファンでもあったネギシの日本の音楽への愛が溢れ出ている。

とはいえむろんヴォーカルが前面に出すぎて結局演奏が伴奏でしかない歌もの日本語ロックとは別物で、
両者がねっとりと絡み合っている。
ありそうでなかった日本語王道ドゥーム・ロックであり、
サッポロ黒ラベル(not アサヒスーパードライ)のビールをこよなく愛する
ドライじゃないネギシのテイストが表われたコクのある熟成ヘヴィ・ロックの一枚だ。


★NEPENTHES『Scent』(デイメア・レコーディングス DYMC-256)CD
5曲目が終わった後にしばしの無音の後にまた曲が出てくる約60分5曲+α入り。
二つ折り紙ジャケット仕様。


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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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