なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

VELVET UNDERGROUND『Loaded:Reloaded 45th Anniversary Edition』

VELVET UNDERGROUND『Loaded Reloaded 45th Anniversary Edition』


VELVET UNEREGROUNDの実質的な最終作である4作目『Loaded』の6枚組の45周年記念盤。
過半数が既出音源だが、
ディスク1と2と4は中低音域のコシも強く出ている今年リマスタリングされた音が使われているし、
ポップながらも濃い音楽的にはもちろんのことパッケージ全体も重み十二分だから、
やはりある程度コアなファンの方であれば手元に置いておきたいリイリュー逸物である。


CDのディスク1~5には計75曲収録されている。

ディスク1はアルバム『Loaded』の本編+アウトテイク4曲の約56分14曲入りで、
ボーナス・トラックもほぼ既出と思われる。
でも最新リマスタリング効果かやわらかく息づいているサイケデリック・フィーリングが引き出され、
苦くて甘いルー・リード(vo、g)の声自体がサイケデリックということにもあらためて気づかされる。
ルーが終生歌い継いで今回“Full-Length Version”で収められた曲「Sweet Jane」と「Rock & Roll」の
イメージどおりのシンプルなロックンロール・アルバムではある。
ただゴキゲンなロックンロール・チューンの中でソフト・ロックやドゥー・ワップも素直に顔を出し、
アルバムのポピュラリティを高めるもセールス的には本作も失敗に終わった。

ディスク2は計約55分14曲入りで、
プロモーション用に作られて今回初めて公の場に出た本編の曲のモノラル・ヴァージョンがメインになっており、
真ん中からしか音が聞こえてこないから具が詰まった感じで骨太に聞こえる。
「Sweet Jane」が正規ヴァージョンよりかなり短いなど、
言うまでもなく単に“モノラル変換”したものとは違うから色々と発見ありだ。
2つのシングルのA/B面のヴァージョン(うち一組は未発売))の4曲追加。

ディスク3はデモや初期ヴァージョンやオルタネイト・ミックスなどを収めた約78分21曲入り。
ほとんどが過去のリイシュー盤などの既出音源だが、
未発発表ものもチラホラのようだしこの一枚でまとめてデモ等が聴けるのもありがたい。

ディスク4にはルー・リード脱退直前の70年8月23日録音の『Live At Max's Kansas City』を収めている。
2000年代には計18曲入りの2枚組CDヴァージョンでもリイシューされたライヴ盤だが、
このCDはオリジナルLPの10曲に5曲を挟み込んでCD1枚の基本的容量ギリギリの約80分15曲入りだ。
これまたリマスタリング効果で中低音がビシッ!と出ており、
ドラマーがモーリン・タッカーではなくビル・ユールで通常のドラム・セットでの演奏だから、
タイトなロックンロール・サウンドゆえにVELVET UNDERGROUNDとしては異色のパフォーマンスである。

そしてディスク5には70年5月9日録音の未発表ライヴ音源を約70分11曲収録。
ルー、スターリング・モリソン(g)、ダグ・ユール(b他)のトリオ編成というこれまた異色のステージである。
ずっとドラマーを務めてきたモーリン・タッカーが産休に入り、
当時レコーディングの途中だった『Loaded』のセッションの一部と同様に
曲によってダグがドラムも演奏している。
ヴォーカルが遠くの方から聞こえてくる音質で、
静かなイントロの曲はよく耳を傾けないとしばらくは何の曲かすぐ判別できないところもあるほどだが、
“補正”するのもこれが限界な元音だったのだろう。
80年代までのブートレッグを思い出すマニア&研究家向けだが、
楽器の音はわりとよく聞こえるし、
トリオ編成での“強行ライヴ”ゆえに他の演奏では聴けない珍アレンジが満載である。

さらにディスク6は映像がメニュー画面のみで基本的にはサウンドのみが入ったDVD-Audioで
『Loaded』本編の10曲が、
5.1サラウンド・サウンド・リミックス・インDTS、
5.1サラウンド・サウンド・リミックス・イン・ドルビー・デジタル・サラウンド・サウンド、
5.1サラウンド・サウンド・トゥ・ステレオ・ダウンミックスズ・イン96/24 ハイレゾ・オーディオ、
フラット・トランスファー・オブ・オリジナル・ステレオ・アルバム・イン96/24 ハイレゾ・オーディオ、
の4パターンで聴ける。


まったりしたこのCDとDVDは、
まいっている時や
しんどい時に流しっぱなしにするとホッとする。
“写真集”も眺めながら聴くと、
当時ルー・リードもそんな気持ちで素朴にロックンロールを楽しんでいたのではないかと思わされる6枚組である


★VELVET UNDERGROUND『Loaded:Reloaded 45th Anniversary Edition』(COTILLION/RHINO/ATLANTIC 081227953737)5CD+ DVD-Audio
25x30センチのハードカヴァーで重み十分の写真集のような約72ページのブック仕様。
パティ・スミスの長年の音楽的パートナーであるレニー・ケイの長文ライナーも読める。


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コメント

こんにちは。

私はVUのコアなファンではないですが、レニー・ケイのライナーは読んでみたいです。

彼が関わってるというので、Nuggetsシリーズを80年代後半から集めたりしましたんで。そっちでのお仕事も気になるところ。6枚組はハードル高いですけど、、。

Re: タイトルなし

yuccalinaさん、書き込みありがとうございます。
ライナーに関して、パティ・スミスと組む前のレニー・ケイは音楽ジャーナリストでしたし、その頃に出たアルバムでそういう視点でも綴られています。
『Loaded』の2枚組リイシュー盤と『Live At Max's Kansas City』をお持ちだと主要音源がかなりダブるので微妙かもしれません。とはいえVUの前3作のデラックス版リイシュー同様に“本”自体が1000~2000円分ぐらいのお金と手間暇かかってそうな作りで、色々な意味での“アルバム”として手元に置いておきたい感じのブツだと思います。

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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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