なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

映画『ソークト・イン・ブリーチ~カート・コバーン 死の疑惑~』

カート メイン


90年前後の生のロックを代表するバンドの一つのNIRVANAを率いた
カート・コバーンの2014年の死を検証した映画。
こういう切り口の書物や映像作品は既にいくつかあるが、
妨害や圧力をものともせずに執念でまとめた決定版と言える。

カートの死体が発見される5日前にその妻のコートニー・ラヴが雇った、
元LA保安官のトム・グラント探偵を軸に映画が進行する。
自己紹介的なコーナーを設けていることが象徴するようにトムが“主人公”とも言える映画だが、
「探偵がクライアントの敵になることは珍しい。(コートニーは俺を)雇って後悔しているだろう」
というトムの言葉が映画の肝だ。
カートの死は警察とマスコミの思い込みよる“ねつ造”を味方につけて仕上げられた“完全犯罪”と読み、
自殺ではなかったことを炙り出していく。

カート4
<トム・グラント探偵>

トムの話が中心ではあるが、
バンド関係ではないカートの旧友をはじめとする関係者のナマの証言も入れ、
その中では本作制作途中からトムへの協力を止めたカートとコートニーの弁護士の話が興味深い。
必要に応じて生前のカートのインタヴュー映像も多少織り込まれ、
カートの死を報じたニュース映像も加えられているが、
NIRVANAの曲は“アーカイヴ映像”の時に流れる程度。
情緒に流されないハードボイルドな作りになっている。

そういった部分以上に、
コートニーから依頼された探偵業務の必要上トムが重要人物たちと対話した際に録った音声が大活躍している。
トムが録音したテープが元音源と思しきコートニーの生トークと、
トムの“取材テープ”を基にして俳優が演じた“自殺”前後の“再現映像”の盛り込みが、
生々しい効果を上げている。
特に再現ドラマは、
コートニー・ラヴ役のサラ・スコットが典型的なビッチを演じていてコートニーのイメージどおりだし、
銃を買ったカートの友人として登場するディラン・カールソン(EARTH)役を演じたオーガスト・エマーソンも好演し、
こういう映像だけで一つの映画を作ってもいいのではないかと思うほどだ。

カート3
<コートニーがトムに語るシーンの再現フィルム>

ディラン・カールソンが影響力の大きいミュージシャンであることに言及されてないのが残念だが、
コートニーがメジャー・バンドだったHOLEのリーダーであることにすら立ち入ってない。
音楽をやる同志としてもカートと二人の関係は深かっただけに各々のバンド活動に触れても良かっただろうが
(ちなみにEARTHの91年のデビュー作『Extra-Capsular Extraction 』にカートはゲスト参加している)、
“余計な情報”を入れることで話が散ることを避けたのかもしれない。

ドキュメンタリーとドラマをミックスした作りだけに、
どこからどこまでがノンフィクションでフィクションなのかと思われるかもしれない。
けどそれがこの映画の面白さであり、
すべてがリアルである。

シチュエーションが異なるとはいえ“真相解明モノ”であり、
ヘロイン云々も含めて何かとカートとコートニーがよく比較された二人だけに、
シド・ヴィシャス(SEX PISTOLS)とナンシー・スパンゲンにまつわるドキュメンタリー映画の
『フー・キルド・ナンシー』も思い出す。
とはいえこちらの方がより緻密に探りが入れられている。

カート1


ヘロインと銃自殺に関する詳細な検証も行ない、
あんなヤク漬け状態での自殺は有り得ないことを科学的にも実証。
カートの遺書とされる文書も、
生前のカートの言葉を寄せ集めて誰かがドラマチックな構成で書いたという説を提示する。
ある人物は言った。
「(遺書とされている文書は)遺書じゃなくて彼女(コートニー・ラヴ)が広めたい言葉だ」と。

いかにコートニー・ラヴが性悪女でカートが食い物にされたかを暴いていくかのような描き方は、
コートニーの外堀を埋めていくみたいで面白い。
自己愛のためには平気で他人を傷つけて利用するコートニーみたいな人が日常の身近にいると、
人生が破壊される。
“カートの周りにいた人間は誰も自殺なんて信じない”という言葉も出てくるが、
他殺説を提示した映画であるにもかかわらず、
コートニーみたいな人が家族にいたら自殺したくもなるとも思わせる作りだ。

というわけで一種のミステリー/サスペンス映画みたいな感じでも楽しめる作品である。


★映画『ソークト・イン・ブリーチ~カート・コバーン 死の疑惑~』
2015年/アメリカ/89分/シネスコサイズ/カラー/ステレオ
12月12日(土)ヒューマントラストシネマ渋谷、新宿武蔵野館ほか 全国順次ロードショー
© 2015 Suburban Hitchhiker, LLC All Rights Reserved.
http://sib-movie.com/


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急啓,とり急ぎ申し上げます。私、ご相談の封書を送った兵庫県三田市の秋山と申します。「受取拒否」の件や今回のトヨペットの車検で2013年12.10~翌2014年8.30まで電話回線を遮断され2015年7.2までネット回線も一部のみ復旧したのみで連絡手段を断たれており、詳細は別の物にあるのでよめば理解できます。手短に言えば、秘密保護法など前後で、各国大使館に宛てた後ですからこの頃の新聞紙面の情勢と関連しており、故に懸念した通り20年前の1996年7月2日の精神病院への強制入院後1997年8月24日の死に至る経緯が2012年6月14日の三田署の警官の「罪状なくても逮捕できる」三田関係の薄い街や企業では問題ないが三田色の濃い街や店では、門前払いか三田関係がライフラインの箇所に網を張ってトヨペットの車検の様に1年放置した為、今年の5月は車検前に車検の年にエンストで「事故」になりかけ、これが5~9月末まで頻繁で修理に出す事4回で車不在の中、三田店で100%大丈夫と車検をした結果これで次の岡場では車すら貸してくれず犬云々、論外。明らかにトヨペットの車検で三田店で100%大丈夫で車検中ですから他の企業でも保障期間で無償で負担をするのですが2~3万が40~50万の修理で訪問が郵便と同様で暗がりの時期と芦原地区周辺は住民.企業問わずリンクし町ぐるみで共謀しなければ白昼、拉致同然の精神病院への強制入院後、それ故「身の危険」なのです。盗聴された形跡があり朝日新聞の各所に我々の会話や封書の内容が掲載されている。
草々

あんた、これ警察に持ってくよ(笑)
捕まんのは、あんただよ(笑)

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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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