COALESCE『Give Them Rope』[reissue]
2015-12-06
米国中部ミズーリ州カンザス・シティ出身の“ヘヴィ・カオティック・ハードコア・ロック・バンド”、
COALESCE(コウアレス)が97年にリリースしたファースト・フル・アルバムのリイシュー盤。
2枚組CDでの再発だ。
ディスク1は本編の10曲入り。
今回は2010年のリマスタリングの音が使われている。
NAPALM DEATHとのスプリット7”EPを
EARACHE Recordsから2006年にリリースした直後ぐらいからレコーディングに取り掛かったようである。
初期の試行錯誤を経て生み出されたサウンドは、
まさにカオティック・ハードコア。
それもとびきりヘヴィな音であり、
CONVERGEとCANDIRIAの間を行くスピード感も十分の変則メタル・ハードコア・ヘヴィ・ロックだ。
大胆にもLED ZEPPELINのカヴァー・アルバムを99年にリリースしているバンドでもあるが、
それもうなずける特異なリズム・パターンは走るだけでなくタメも効き、
ジャズも感じさせるハードコアなグルーヴ感で持っていく。
この当時のドラマーのジェイムス・ドゥウィーズは
GET UP KIDSのキーボード奏者でMY CHEMICAL ROMANCEのサポート・メンバーとしても知られるが、
そういうクレイジーな“アンバランス感”がサウンドに表れていて最高だ。
アメリカの地方都市のバンドならではと言えるちょい田舎っぽい辛味の効いた怒号も野獣風味で渋い。
言葉数の多い歌詞はさらにクレイジーで、
音同様に“ぬかるみ”状態のフラストレイションが苦渋の怪気炎を上げている。
ディスク2は、
『Give Them Rope』を2001年にリミックスとリエンジニアリングを行ない、
リマシタリングして2004年に出たレコード『Give Them Rope She Said V2.0』を収めている。
収録曲自体は同じだが、
こちらは輪郭のはっきりしたシャープな音の質感で若干モダンな音に仕上がりだ。
★コウアレス『ギヴ・ゼム・ロープ』(リラプス・ジャパン RLJP-1366)2CD
ディスク1は約41分11曲入りで、
ディスク2は約39分11曲入り。
本物のロープの切れ端がプラケース内に収納されたパッケージだ。
日本盤仕様版は、
味のある紙質の12ページのオリジナル・ブックレットに載った長文セルフライナーと歌詞の和訳付で、
2枚組CDながら1枚ものの同じ程度の価格に抑えられている。
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