なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

映画『バスティン・ダウン・ザ・ドア』

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もう一本、サーフィン映画の『バスティン・ダウン・ザ・ドア』を見た。
プロフェッショナルな意識が芽生えつつあった70年代に、
サーフィンに命を懸けた男たちのドキュメンタリーである。

舞台はハワイ・オアフ島のノースショア。
サーファーにとっての夢と希望の地であった。
序盤は70年代頭の状況の紹介でサーフィン好きの方々ならば面白いのではないか。
むろんサーフィンの映像そのものはエキサイティングだが、
しばらくはまったりした調子で話が進んでいく。

しかしいつのまにか“暗転”していた。

南アフリカとオーストラリアから乗り込んできたサーファーに対して、
ハワイのサーファーたちが反発。
サーフィンに対する意識と根っからの価値観の違いによるところが大きい。
『バスティン・ダウン・ザ・ドア』という映画タイトルは、
今回出演のオーストラリア出身のサーファーを載せた当時のサーフィン雑誌の特集のタイトルそのまま。
「(ハワイなんか)ノックせずにブチ破れ」
煮えくり返った地元のサーファーたちに対して“よそ者”は多勢に無勢。
ブラックショーツ(Black Shorts)という自警団も不気味だ。

以降緊張感が数十分続き、見ていて息を呑みっぱなしであった。

夢とロマンはダーク・サイドと背中合わせ。
光あるところに影がある。
そうやってハワイの文化があぶりだされてくるところが興味深い。

当時の映像を挿入しつつ“抗争”もネタにして関係者の談話で進めるというスタイルということで、
80年代初頭のアメリカのハードコア・パンク・シーンのドキュメンタリー映画、
『アメリカン・ハードコア』をぼくは思い出した。
特に当時のカリフォルニアのハードコア・シーンはビーチで色々と揉めたというが、
あのへんの生々しさに近いものを感じたのである。

ちなみに音楽は往年のロックが流れてくる。
テレビのドキュメンタリー番組のBGMのように
たとえばサーファーが名声を求めるようなシーンではデイヴィッド・ボウイの「Fame」が使われていた。
STOOGESの「Down On The Street」も聞こえてきたが、
それは1970年の曲だから特に時代性へのこだわりはないようである。

ところで“Bustin’ Down The Door”という一節は、
ROLLING STONESの『Black And Blue』収録曲「Memory Motel」の歌詞にも出てくる。
“(ノックせずに)ドアをブチ破れ”、なかなかクールなフレーズである。

http://www.bustindownthedoor.jp/
8月1日より、シアターN渋谷ほか全国順次ロードショー。



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コメント

まさか行川先生のブログでサーフィン映画が取り上げられているとは思いませんでした!本当に色んな映画を観られているんですね。私は実家のすぐ近くに海があり、サーフィンも20年近くやってます(ここ2年位は遠ざかってますが)。なのでサーフィン映画も何本かは観ましたがこの映画は知らなかったですね。私の地元でも20年前はローカルとビジター間のいざこざはよく聞いてましたし、実際ヨソの県から来たサーファーがビーチでぼろ雑巾のようにされている光景を見ました。どこのポイントでもという事はありませんがローカルが大切にしているポイントでは仲間内でもピリピリしてました(先輩の邪魔をしたりすると凄く怒られる)。海外ではそんなルールがもっとすごいんでしょうね。
この映画は是非観たいです。

chumbaさん、書き込みありがとうございます。
同じ月に見て書いた「Present」もそうですが、せっかく試写会の案内をいただいたものは挑戦的な意味もあってなるべく足を運ぶようにして、そこでサーフィン映画を見る機会もあります。これは映画のパンフレットにも書かせてもらいました。
知り合いにサーフィンやっている人が数人いても、そういう話は聞いたことないのですが、やっぱりあるんですね。集団/シーンみたいになると派閥/地元意識が高くなって、書きましたが、ほとんど一部のハードコア・シーンと同じようなイメージもあります。実際サーフ軍団が入り込んでそういう価値観が混ざって、70年代末から80年代初頭のLAハードコア・シーンはできあがっていったところもあるみたいです。
ぼくは市のプールで週2回2000メートルずつ泳ぐぐらいですが、サーフィンもやってみたいですね。

ぜひ!

サーフィンはオススメですよ。最高にリラックス出来ます。
私も泳ぎは自信ありましたが2000mは無理です。

chumbaさん、書き込みありがとうございます。
2000メートルといっても25メートルのプールのターンの繰り返しですし、500メートル+1分休憩+500メートル+1分休憩+1000メートルという感じで休みながらです。

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バスティン・ダウン・ザ・ドア

映画 バスティン・ダウン・ザ・ドアの感想、評論のまとめ

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プロフィール

行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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