なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

LUCIFER at 渋谷クアトロ 2月17日

LUCIFER.jpg


元The OATHのヨハナ・サドニス(vo)、
元The OATHでANGEL WITCHの一員でもあるアンドリュー・プレスティッジ(ds)、
CATHEDRALDEATH PENALTYを率いるギャズ(ゲイリー)・ジェニングス(g)、
DRAGONFORCEのデビュー作の頃のメンバーだったディーノ・ゴルニック(b)、
SATURNという2014年私的ベストの一枚にも挙げたバンドのメンバーでもあるロビン[Robin Tidebrink](g)
の5人で敢行した“ドゥーム・ヘヴィ・メタル・バンド”LUCIFERによる初の日本公演。
今回の来日で唯一のライヴ・イン・ジャパンである。

The OATHのファースト・アルバムを聴いた時に早くも危ういギリギリ感が漂っていて、
傑作だから思わず“解散しないでほしい”と書いた矢先に解散して僕もショックを受けた一人である。
それだけに実に嬉しいグレイト・ライヴだった。


ドゥーム・メタル寄りではあるが、
CATHEDRALのようにフックのあるポイントを設けてミディアム~アップ・テンポの曲もやり、
けっこうヴァラエティに富んでいる。
金属濃度の高いギター・リフがなかなかクールで、
僕の前で観ていたお客さんがしょっちゅうエア・ギターを弾いていたのも納得だ。
いい感じで音のすきまが多くて風通しがいいにもかかわらずヘヴィで、
フィンガー・ピッキングならではのベースとタイトなドラムが強度の高いグルーヴを生み出していた。

そしてヴォーカル。
まさに魔性のヴォーカルである。
オカルト・メタルとも評されるLUCIFERだが、
パンクでもよくある芝居がかった歌い方なんてまったくなく、
まっすぐなストロング・スタイルからこそ体と心の芯まで響いてきた。
しっかりとした発声であるにもかかわらずガチガチに声を固めてない自然な歌唱だからこそ、
サイケデリックな感覚も滲み出ていたのである。

何しろ凝った仕掛けなど使わずにシンプルなサウンドだけで妖しい空気感を醸し出していた。
珍しく僕も思わず手拍子してしまうほどのエンタテインメント性もお見事。
布を羽織ったような衣装で左右に両手を広げて舞いながらスタンディング・マイクで歌ったヨハナをはじめ、
ステージでのヴィジュアルも良し。
LUCIFERのフェイスブックによればディーノとロビンはライヴ要員のようだが、
ドイツ、英国、スウェーデンのこの5人は見た目も音もヨーロピアンなブレンド具合が絶妙なのだ。

ヘヴィ・メタリックな風貌の演奏陣に音でもグロテスクな味わいを添えていたギャズは、
後ろから“若手”を見守って引き立たたせつつ要所を締めるようなポジションだった。
一歩も二歩も奥に引っ込んで終始ギター・アンプの前で弾き、
演奏面でもメイン・リフはロビンに任せてスパイスになるフレーズを鳴らしていたのである。


アンコールではThe OATHでもカヴァーしていたDEMONの「Night Of Demon」を披露。
まだアルバムが昨年の『LuciferⅠ』のみで持ち曲が少ないため1時間ほどのステージだったが、
適度に簡潔なMCを入れつつテンポよく進めるステージ運びも気持ち良かった。
また観たい!という気持ちを観た者すべてが抱いたに違いない。
とにかく今はセカンドを心待ちにしたい。
ヨハナの“別れの言葉”「See you again」を信じたい。


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コメント

私も行きました。

ベースがDRAGONFORCEの過去にメンバーだったとは以外です。

曲が進むにつれて観客の熱い反応もあって演奏に熱が入っていったように感じました。
確かに"魔性"ありましたね。会場を支配していました。
演者、観客、会場がこれほど一体となってる感覚になったのはあまりなくて、身体的に気持ち良かったです。
とにかく、そこにいるだけでワクワクさせられるヨハナ・サドニス、最高です。

あと、あの価格で5人のバンドを招聘してくれた関係者の方には感謝です。
今までにもこの価格で新人バンドのお披露目をしてくれていますが、レーベルの方には続けてくれたら嬉しいなと。

フロアの左端で観てたら、Lee社長がウロウロしてて、そっちが気になってしょうがなかったですが、本当に素晴らしいライブでしたね。
Rise Aboveは抜けてしまったバンドも多々ありますが、新しいバンドもゾクゾクと出てきているので、いつの日かまとめて観れる機会が欲しいところです。

書き込みありがとうございます。

>溝口さん
元DRAGONFORCEという点で英国メタル・シーンのつながりの深さ広さを思い知らされました。70年代のブリティッシュ・ロック・シーンに通じる意外性のある人脈もいいなと。
コール&レスポンスみたいなのではないステージとお客さんとのクールな交感が気持ち良かったですね。ああやってゆっくりと熱を帯びていくライヴは僕もほんと気持ちいいです。だから手拍子も打ってしまいました。
持ち曲が少なくてライヴの時間も短くなりそうだったがゆえの値段設定だったと想像しますが、レコード・レーベルの方をはじめとしてここいらの方のストレートな熱意には僕もインスパイアされています。

>もりめさん
僕は中央あたりで観ていたのですが、リー・ドリアンは目に入ってきました。“身内”ということもあって熱が入っているのでしょうが、そういうこと抜きにしても推したいバンドってことが伝わってきました。
リーはCRASSをはじめとするアナーコ・パンクや日本のハードコア・パンクなどを聴いてきて“こっち”方面に至っていて、僕とかなり近いリスナー遍歴で音楽趣味や価値観が近くて、RISE ABOVEから目が離せません。数か月前にBURRN!誌にコラムで書いていた最近のSWANSのライヴを観た感想も、やっぱりな~と思ってしまいました。

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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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