なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

そこに鳴る『YAMINABE』

そこに鳴る『YAMINABE』


2011年に大阪で結成されたトリオ・バンドが10ヶ月ぶりにリリースしたCD。
収録曲が8曲だからかレーベルの資料には“2nd EP”と書かれているが、
30分近いヴォリュームだからアルバムと言いたくなるほど聴き応えありありだ。

メンバーは、
鈴木重厚(vo、g、作詞/作曲)、藤原美咲(vo、b)、たけむらともひろ(Ds)。
大半のパートのリード・ヴォーカルは鈴木が取っているようだが、
藤原とのハーモニーも聴きどころの一つである。
“J-POPロック”と呼びたいほどはっきりした発声の日本語の歌が前面に出ている一方で、
楽器の音も前面に出ている。
あちこちで甘いアニメソングみたいな美麗メロディの疾走感の火に油を注ぐようなことをしていて、
一筋縄ではいかない。

まずギターとベースのタッピング奏法の挿入が反則技でいいアクセントである。
さりげないドラムのツー・バスの挿入も辛いスパイスである。
どの曲もサビがわかりやすくて取っつきやすいが、
FANTOMAS以上に小刻みな秒単位で曲の表情が次々と転換するパートを設けた楽曲構成も心憎い。
でもまったく頭デッカチではなく滑らかでナチュラルなのだ。

テクニカルな“飛び道具”を絡めつつ歌メロをはじめとしてキャッチーだし、
ギターはメロディアスなメタルコアとシューゲイザーがブレンドされたかのようでもある。
ところによってはここ数年のBorisのアップテンポでメロウな歌ものナンバーも思い出すが、
全パート遠慮なく針が振り切れ、
全曲クライマックスに向かってドラマチックに展開。
「UTSUNOMIYA」という曲は地名の“宇都宮”ではなく“鬱の身や”なのか?という具合に、
色々と深読みできる歌詞もメロディもなかなか切ないが、
エモと呼ぶにはウジウジしてなくて突き抜けているのであった。

KAgaMIによるジャケットの画もエグさとメルヘンが融合した『YAMINABE』にピッタリだ。
2曲の録音をメンバーの鈴木が自ら行なったところに表れているように音作りにも気を使い、
パンチの効いたデリケイトなレコーディングも奏功した胸のすく一枚。


★そこに鳴る『YAMINABE』(KOGA KOCA-88)CD
約30分8曲入り。
全8ページの画をKAgaMIが描いたブックレット(初回プレス分のみ光沢の紙を使用)封入。


スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事へのトラックバックURL
http://hardasarock.blog54.fc2.com/tb.php/1631-e8b9581d

 | HOME | 

文字サイズの変更

プロフィール

行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

未分類 (9)
HEAVY ROCK (241)
JOB/WORK (289)
映画 (244)
PUNK ROCK/HARDCORE (0)
METAL (42)
METAL/HARDCORE (47)
PUNK/HARDCORE (407)
EXTREME METAL (128)
UNDERGROUND? (93)
ALTERNATIVE ROCK/NEW WAVE (120)
FEMALE SINGER (42)
POPULAR MUSIC (25)
ROCK (82)
本 (9)

FC2カウンター

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QRコード

FC2Ad

Template by たけやん