なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

TEENAGE JESUS and The JERKS『Live 1977 – 1979』

TEENAGE JESUS and The JERKS『Live 1977 – 1979』


SONIC YOUTHやニック・ケイヴとも後に絡んだ
ニューヨーク・アンダーグラウンド・シーンの“女帝”リディア・ランチ(vo、b)率いるバンドが、
精力的に活動していた時期に残したライヴ音源集。
マスタリングもいいのか音質はまずまずだ。

当時フル・フルバムはリリースしなかったが、
ブライアン・イーノがプロデュースした78年の歴史的なオムニバス盤『No New York』に収録され、
“ノー・ウェイヴ”ムーヴメントを代表するバンドの一つになった。
同じく『No New York』にCONTORTIONSで参加したジェイムズ・チャンス(sax)や、
日本のFRICTIONのレック(b)がメンバーだった時期もあり、
その二人が演奏している77年8月8日のマクシズ・カンザス・シティでのライヴも2曲聴ける。

27曲も入っているにもかかわらず全長約34分。
というわけで曲の短さは初期ハードコア・パンク・バンドみたいだが、
ロックンロールにまつわるリズムから解放された原始ビートで、
パワー・ヴァイオレンスのバンドが頭をよぎるほど唐突に曲が終わる。
パンク・ロックとは言いがたいが
フリーキーなサウンドがパンク・ミュージックであることは間違いない。

あらためて色々と発見ができる。
80年代のSONIC YOUTHが“そのまま”なのはもちろんのこと、
ドゥーム・ロック/スラッジ・コアではないにしろスロー・チューンも魅力の一つ。
たとえばこのCDに2テイク入っている代表曲の一つの「Baby Doll」は、
SWANSのセカンド『Cop』(84年)の「Half Life」が“そのまま”だし、
NAPALM DEATHの「Multi-National Corporations Pt. 2」も“そのまま”なのだ。

イライラしてくる高音域の初々しいヴォーカルも、
たわみ軋み歪みながら腰を振るギターも、
情念を金属質の経血で凍らせた響きだ。
愛想は良くないが愛嬌のある痙攣(けいれん)ぶりが癇にさわって癪にさわってキュートである。
不敵ぶりに乾杯の一枚。


★TEENAGE JESUS and The JERKS『Live 1977 – 1979』(OTHER PEOPLE No Number)CD
本作の編纂者による長文ライナーが小さな文字で載っている。


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Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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