なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

CAVE IN『Planets Of Old』

CAVE IN


半年ほど前にレコードでリリースされた新曲4曲入りEPのCD化だが、
昨年7月の久々のライヴを13曲収めたDVD付でのリイシューである。
ゲットしやすい作品としては2005年の4枚目のアルバム『Perfect Pitch Black』以来。
これはまさに待った甲斐のある出来だ。

2006年の3度目の来日公演の頃にドラマーだったベン・コラー(CONVERGE)は去っている。
CONVERGEのネイト・ニュートンらとやっているDOOMRIDERSが絶好調なだけに
(昨年のセカンドの『Darkness Come Alive』も最高)、
その活動に専念するかと思われたオリジナル・ドラマーのJR(ジョン・ロバート)・コナーズが復帰した。


日本盤のCDは本編の曲のデモ・テイクを1曲追加した約18分5曲入りである。
ちなみに米国ではHYDRA HEAD Recordsからカセット・シングルとして2006年にリリースされ、
日本では購入特典CDに入っていた、
2005年の録音の曲の「Shapeshifter」と「Dead Already」は今回未収録だ。
今となってみればベン在籍時の貴重なレコーディングなわけだが、
限られた人しかゲットできてないにもかかわらず名曲なだけに、
その2曲が再録音されてないのは残念ではある。
ただCAVE INは過去に執着せず常にアップデートしているバンドだし、
ストレートで激しいその2曲を経たからこそ今回の作品が導き出されたことは間違いない。
DESCENDENTSが大好きな根がパンク・ロック・ドラマーのベンもグレイトな演奏者だが、
このCDのダイナミズムはJRのドラムならではだろう。

いきなり7分近くの曲なのだが、
これがまたカオティック・メタリック・ハードコアな、
98年の名作ファースト『Until Your Heart Stops』以前の音を推し進めたような曲だ。
咆哮の掛け合いも絶好調である。
2曲目はパンク・ロック/パワー・ポップにLED ZEPPELINとMOTORHEADが入った如き、
まっすぐなメロディック・ドライヴィング・ナンバー。
3曲目はいわゆるオールドスクール・スタイルに近いハードコア・パンクで、
前述の埋もれそうな名曲「Dead Already」の流れをくむとはいえ、
ここまでベタな曲はあまりになかっただけに新鮮だ。
そして4曲目もハードコア・パンクの疾走感を内包しつつ、
セカンド『Jupiter』(2000年)のコズミック感覚と『Antenna』(2003年)のグルーヴ感が息づいている。

やりたいことがたくさんあるミュージシャンの集まりだから、
CAVE IN以外でも各メンバーは色々やっている。
これまではわりとアルバム単位でカラーを固めて打ち出していた感もあったが、
視野広く向き合っていれば自然ないい意味での分裂的な作風が見事にブレンドしている作品だ。
怒号をちらつかせつつグラム・ロックの流れも感じさせる、
スティーヴ・ブロッズキー(vo、g)のデリケイトな中性的ヴォーカルがモヤモヤ気分を誘発してたまらない。


60分強のライヴが詰まったDVDはほぼまんべんなく各時期に発表した曲から選ばれており、
新曲/未発表曲もいくつか披露。
こちらはまさに熱演だ。
曲によってフロントの弦楽器隊の3人が歌い分けるトリプル・ヴォーカル体制だが、
このライヴではステージの真ん中に立つベーシストのケイラブのハードコア・ヴォーカルが目立っている。
さらにこの映像を見るとリーダーと目されるスティーヴ以外のメンバーは、
ワイルドかつ肉感的な佇まいだということもわかる。
ヘヴィ・ロック、パンク・ロック、ハードコア・パンク、
そのすべての進化形であり、
ただひたすら現在進行形であることを叩きつけているステージなのだ。


●ケイヴ・イン『プラネッツ・オブ・オールド』(デイメア・レコーディングス DYMC-111)CD+DVD
アーロン・ターナー(ISIS他)が手がけたアートワークが彩る二つ折りの厚手の紙ジャケット仕様。
DVDには3分弱のスライド・ショー付。
やはりファン必携のブツである。


スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事へのトラックバックURL
http://hardasarock.blog54.fc2.com/tb.php/166-70d0ac35

 | HOME | 

文字サイズの変更

プロフィール

行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

未分類 (9)
HEAVY ROCK (241)
JOB/WORK (294)
映画 (262)
PUNK ROCK/HARDCORE (0)
METAL (43)
METAL/HARDCORE (48)
PUNK/HARDCORE (420)
EXTREME METAL (129)
UNDERGROUND? (99)
ALTERNATIVE ROCK/NEW WAVE (123)
FEMALE SINGER (43)
POPULAR MUSIC (27)
ROCK (83)
本 (9)

FC2カウンター

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QRコード

FC2Ad

Template by たけやん