なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

橋本孝之『SIGNAL』

橋本孝之 SIGNAL


2009年に大阪で結成したデュオ・ユニットの.esに留まらず多彩な活動を繰り広げ、
本作に濃厚なライナーを寄せた長谷川裕倫(あぶらだこ長谷川静男)が在籍の
kito-mizukumi rouberにも昨年から参加している、
奇才・橋本孝之のサード・ソロ・アルバム。
東京・赤坂で今年のヴァレンタイン・デイにレコーディングしたインプロヴィゼイションが、
約15分半ずつ2トラック収録されている計約31分のCDだ。

一昨年のアルト・サックス作『COLOURFUL』と昨年のギター作『Sound Drops』に続く、
ハーモニカでの独演盤である。
もともとギタリストながら、
最近だとGUNJOGACRAYONの新作に参加したセッション等も含めてサックス演奏が多い橋本だけに、
.esの新作『曖昧の海 / Ambiguity Sea』でも披露していたハーモニカもやはりサックスを思わせる。
たが伸びやかな持続音というより断続的な音が連なって“ドラマ”を織り成すパフォーマンスだ。

必死で声を、必死で言葉を、出そうとしているみたいな、静かなるエナジーが渦巻く。
まるで吃音者の“歌”だ。
いわゆるわかりやすいメロディはあまり聞こえてこないかもしれないが、
つんのめりながら呼吸するようなリズムで発せられる音ながらエキセントリックとは別次元の生の響きから、
途切れ途切れに命の歌心が横溢している。
意識せずともハーモニカの肝の音色ゆえに否応なくブルースの“かけら”も漏れてきて、
哀しみを研ぎ澄ましたかのようなトーンも広がる。
一方で、うなるような音には天然の頓智も効き、
さりげなく相好も崩すのであった。

これまた前代未聞の音。
橋本孝之、やはり恐るべしである。


★橋本孝之『SIGNAL』(Nomart Edition NOMART-111)CD
味のある紙質の四つ折りジャケット封入のプラケース仕様。


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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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