なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

FREYA『All Hail The End』

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米国のEARTH CRISISのヴォーカルが率いる5人組の3年ぶりのサード・フル・アルバム。
セカンドをリリースした直後にEARTH CRISISが再編して昨年は新作も出したから、
FREYAはフェイド・アウトするかと思いきや健在ぶりを示す快作である。

結成当初は5人編成のうちの半分以上を占めていたEARTH CRISISのメンバーも、
今はヴォーカルのカール一人だけ。
まったく別のメンバーが曲を作るから、
アタック感の強いリフとビートが身上のEARTH CRISISとは別の方向性を推し進めたと言える。
『South Of Heaven』『Seasons In The Abyss』の頃のSLAYERに、
前作『Lift The Curse』で「War Pigs」のカヴァーをしたBLACK SABBATH全般を、
LAMB OF GOD経由のモダンな音の形で注入したかのようである。

ドラマーがメインソングライターの一人のバンドならではの各パートが考慮された曲で、
バッキング・ヴォーカルが入るのも特徴。
ミディアム・テンポ主体のグルーヴィなメタル・ハードコア・サウンドながらも、
いわゆるモッシュ・パートは少なめで渾身の音とは一味違ってドラマチックにも展開し、
EARTH CRISISよりもヘヴィ・メタル・ファンに受け入れられやすいと思う。
ただしメランコリックなメロディは聞こえてくるが、
ギターは泣かない。
そういうメタルじゃないのだ。

いくらメタル的な整合感の演奏だろうが、
まさしく揺るがぬ気合に貫かれたヴォーカルはEARTH CRISISだろうとFREYAだろうと変わり無し。
憤怒のハードコア・ヴォーカル・スタイルの一つを築き上げた人だけに、
一瞬聴いただけでも誰が声をはらわたから絞り吐いているのかがわかる。
それっぽく声を出すだけで終わっている力まかせのメタルコアやデスコアの怒号とは熱量の次元が違うのか、
リアリズムに裏打ちされているがゆえに生々しい。
書いている人間が同じだから歌詞の視点は基本的にEARTH CRISISに近いが、
もっと隠喩に富み終末感も漂っている。

抜けのいい明快なサウンドながらも腕力自慢の音の単細胞バンドとは一線を画す強靭な筋肉があり、
何気に侘び寂びも匂わせる。
聴き応え十分だ。


●FREYA『All Hail The End』(VICTORY VR543)CD
約50分13曲入り。


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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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