なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

JOJO広重『トリプル・エコー~Triple Echo~』

JOJO広重『Triple Echo』


“キング・オブ・ノイズ”を標榜するバンドの非常階段のリーダーであるJOJO広重
今年5月に録音したエレクトリック・ギター一本勝負の独演盤。


広重初のドローンミュージックアルバムである。
CDケースのトレイの下には
“74 Minutes Innerspace Soundscape”“Super Experimental Sounds”と記され、
「Triple Echo from Inner Mind Music」というタイトルの74分の1曲のみ収録。
そういった英文の文句がハッタリではない作品であり、
Sunn O)))がかわいく聞こえるほど真正かつ“真性”のドローンに貫かれている。
リアル・サイケデリックと言いたいトーンの持続音が脳髄を射抜き、
Emerson, Lake & Palmer(ELP)の73年のアルバム『Brain Salad Surgery』の邦題の
『恐怖の頭脳改革』という言葉もピッタリの音だ。

音楽が世界を変えるとしたら
上滑りのメッセージ・ソングではなく、
おのれの奥底から手繰り寄せた音そのもので意識に働きかけるこういう表現だとあらためて思わされる。
ヘッドホンで耳を傾けると強烈だし、
全身で浴びるとスピーカーに向き合った角度などによっても聞こえ方がかなり違う。
他の音楽以上に精神状態や体調によっても聞こえ方が左右される。

トニー・コンラッドやラ・モンテ・ヤングを超える“危険物”の高濃度マインド・ミュージックだが、
24時間リピートでルー・リードの『Metal Machine Music』を流しっぱなしで楽しむ方もイケるはず。
74分後に感覚が研ぎ澄まされている自分に気づく。


ジャケットやその内側には陰陽の対極図と八卦がプリントされ、
ここ数年は占い師としても知られる広重のテーマがまた見えてくる強烈な問題作。
最近は非常階段にも参加して本作のスリーヴ・デザインを手がけている中屋浩市(NASCA CAR)の、
デリケイトなミックスとマスタリングも特筆したい。


★JOJO広重『トリプル・エコー~Triple Echo~』(アルケミー ARCD-251)CD


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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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