なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

KVELERTAK『Nattesferd』

KVELERTAK『Nattesferd』


トリプル・ギターを擁するノルウェーの6人編成の“ヘヴィ・パンク・ロックンロール・バンド”、
KVELERTAK(クヴァラータク)が約3年ぶりにリリースしたサード。
セルフ・プロデュースでもって初めて自国でアルバム・レコーディングに挑んだ作品である。
録音等は前2作を手がけたカート・バルー(CONVERGE)ではなく、
イアン・ブラウン(STONE ROSES)の『Unfinished Monkey Business』や
最も影響を受けたバンドの一つである母国の先輩TURBONEGROの『Sexual Harassment』を手がけている
ニック・テリーだ。

今回も国内のチャートの2位まで上昇したようで“国民的”なほどのノルウェーでの人気は揺るぎないが、
今回も超絶的センスで針が振り切れていて普遍的に素晴らしいアルバムだ。
新世代ならではのフットワークの軽い姿勢のサウンドにぐいぐい押し倒されてヤられ、
最近のヘヴィ・ローテーションの一枚である。


メタルとパンクが融合したハード・ロックンロールが基本だが、
自己保身のジャンルと化した狭っ苦しい“メタル・パンク”と一線を画す奇想天外な旨みたっぷりだ。
曲によってブラック・メタルから70年代の米国ウエスト・コーストのロック、ブルース、カントリーまでをまぶしつつ、
80年代前半の種々雑多なハード・ロックやヘヴィ・メタルを全身の穴から吸収。
しかも“HR/HM”ってな記号化を破壊するパンク・ロックの肝でケツを蹴り上げ、
反復を多用してやや長尺のドラマチック&キャッチーな楽曲に惹かれ魅せられ憑かれるのだ。
鼻をくすぐる民謡っぽいメロディとストーナー・ロックのクサ臭いテイストがブレンドした味わいにとろけ、
胸のすく曲展開のソングライティングに舌つづみが止まらない。
TURBONEGROのように絶妙のタイミングでビートを打つ風通しのいいドラム演奏をはじめとして、
硬直せず適度にルーズなリズム・センスがまさに魅惑のロックンロールだ。

ブラック・メタリックな喉を震わせながらダミ声シャウトのヴォーカルが吐く言葉は母国語。
やはり英語とは一味違う響きがポイントにもなっているし、
お行儀のいい“日本語ロック”みたいに言葉主導でサウンド全体の疾走感とダイナミズムを台無しにすることはなく、
すべての音声が“乱交尾”して加速することで殺戮のエクスタシーへと誘うのである。

享楽と思わせつつ毒を盛り、
血湧き肉躍るならぬ“肉湧き血躍る”劇的ハード・ロックンロール・アルバム。
英国のBUDGIEのアルバム・カヴァーに通じるセンスの“鳥ジャケ”も含めてグレイトと言うほかない。


★KVELERTAK『Nattesferd』(ROADRUNNER 1686-174832)CD
歌詞に加えて英語による簡潔な曲解説も付いた16ページのブックレット封入のデジパック仕様。
約47分9曲入り。


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コメント

Kvelertakが好きで何か情報が無いかと探していた所このブログを発見しました
Turbonegroなど聞いた事無いバンドばかりでこんなサウンドがあったのかと驚くばかりです

Re: タイトルなし

歯さん、書き込みありがとうございます。
Kvelertak、日本でも好きな方がけっこういらして、うれしいですね。
タイプは違いますが、何度か日本ツアーもしているMoEというバンドも含めて、ノルウェーはエキサイティングなバンドが目立ちます。Kvelertakもそうですが、やっぱり多少なりとも、国家のお偉いさんですら“国家の特産品”という認識を持っているブラック・メタルの影響からの影響が面白い形で現れているバンドが多いですね。
Turbonegroはディープなパンク/ロックンロール・バンドです。ヴォーカルが変わってもクールな“fuck you!”アティテュードの音楽や歌詞に磨きをかけていますね。

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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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