なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

GASTUNK『Early Singles (SHM-CD EDITION)』

GASTUNK EARLY SINGLES


東京出身のバンドのGASTUNKによる編集盤のリイシュー。
ハードコア・パンクの要素もまだ強かったメタルコア・サウンド時代と言える、
ファースト・アルバム『Dead Song』以降の85年の12月から86年の7月までに発表したEP/シングルの曲がメインで、
ライナーを書かせていただきました。


全14曲の収録曲は同タイトルで以前リリースされたCDと同じだが、
SHM-CDで二つ折り紙ジャケット仕様だ。

“本編”の曲は『Dead Song』と同じくBaby(b)、Matsumura(ds)、Tatsu(g)、Baki(vo)による録音。
7”EP『Mr. Gazime』の全3曲、
7”『Geronimo/Red Indians Rock』の全2曲
(注:ライナーの補足をすると元COMES/当時LIP CREAMのNaokiが作った曲は「Geronimo」のみ)、
12”EP『The Vanishing Signs』の全4曲、
7”EP『To Fans』の全3曲だ。
さらにPazzがドラマーになってからのレア・トラック2曲
(86年12月リリースのメンバーのソロ作品集『Three Sex X’mas』に付いたソノシートに収めた1曲と
89年2月発行のロッキンf誌増刊『ストリート・ファイティング・メン』の付録ソノシートの「Dead Song」)が
ボーナス・トラックのような形で加えられている。

SHM-CD効果なのかもしれないが、
これまで僕はレコードしか持ってなかったから
これまたこれまでは聞こえてこなかった男が聞こえてきてびっくりする。
コシの強いベースが特に目立つ。


GASTUNKは作品1枚で一つの世界を描写してきたバンドだから、
トータルな流れを大切にするアルバムには収められない曲が多かったが、
本作は2~4曲単位のEP等の形で短編映画のように一つの世界を創造した作品をまとめたCDとも言える。
オリジナル・アルバムだけで語ることは絶対にできないバンドで、
『Mr. Gazime』『Geronimo/Red Indians Rock』『The Vanishing Signs』の9曲もすべて名曲だし、
レコーディングの仕上がりもデビュー7”EPや『Dead Song』同様にどれもパーフェクトだ。
当時日本のハードコア・パンク系バンドはレコーディングのどこかの過程で失敗している例が多かったし、
メジャー・シーンはメジャー・シーンで彫りの浅い仕上がりが目立っていただけに、
バンドもスタッフもかなり耳が良かったというか音作りに気を使っていたと思う。

何かに憑かれているかのようだったこの時期のGASTUNKの勢いが音源を聴いていても伝わってくる。
短期間でこれだけクオリティの高い楽曲をクリエイトしていた事実に驚かされる。
言うまでもなくコンセプト主導の頭デッカチのバンドではなかったし、
パンクもハードコアもメタルも全部引き受けたロックだった。
ミュージシャンシップの高さにもあらためて驚かされ、
この時期のスピード感の肝は回転力が高く多彩なリズムを絡めたMatsumuraのドラムだったとも再認識する。

個人的に、
デビュー7”EP~『Dead Song』~このCDの本編の頃は一番GASTUNKを観ていた時期で、
聴いていると色々なことが蘇ってきてライナーでは普段封印している思い出話もちょこっと書いてしまった。
今聴いても燃えるし泣ける。
これまた最近のヘヴィ・ローテーションだ。


★GASTUNK『Early Singles (SHM-CD EDITION)』(SSレコーディングス SS-971)SHM-CD
↑のジャケット画像はあくまでもおおよそのデザインで、
実物は渋いテイストの色合で手触りのいい特殊な質感の二つ折り紙ジャケット仕様の約60分14曲入り。
『Mr. Gazime』『Geronimo/Red Indians Rock』『The Vanishing Signs』の歌詞付の曲の全曲と
「Dead Song」の歌詞が読みやすく載った三つ折りインナーシートと、
ライナーが表と裏に印刷されたインナーシートが封入されている


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コメント

素晴らしかった再発シリーズ

このsingles時代にGASTUNKが参加した『A Farewell to Arms』の2曲(THE EYESのリテイクとALPHA IN 201)もボーナス収録されていたら最高でした。
今回の再発シリーズはこれで終了でしょうか。
前述の2曲の他に数枚のオムニバスに参加したライブテイク、『THREE SEX X'MAS』のメンバーソロなどが収録されたコンピ盤が最後に出ないものかと願っています。

Re: 素晴らしかった再発シリーズ

Yさん、書き込みありがとうございます。
実は、まさに、『A Farewell to Arms』などのオムニバス盤に提供した曲や『THREE SEX X'MAS』のメンバーのソロ作、あとPazzがドラマーになってからのシングル/EP等の曲を加えた“コンプリート版”の制作が試みられたのですが、話がまとまらなくてこの形になりました。まあ今回のリイシュー・シリーズでデビューEPを『Dead Song』のボーナス・トラックでやっと再発できたので、今後コンプリート版が出るようになるといいですね。

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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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