なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

OATHBREAKER『Rheia』

OATHBREAKER『Rheia』


女性シンガーを擁するベルギーの“ダークネス・バンド”が、
『Eros|Anteros』以来約3年ぶりにリリースしたサード・アルバム。
米国ではCONVERGEのシンガー主宰のDEATHWISH Recordsからリリースされている。
プロデューサーはDEAFHEAVENを手がけてきているジャック・シャーリーで、
透明感があって適度に抜けのいい硬質な音の仕上がりだ。

以前のアルバムではハードコア・パンクとブラック・メタルの交錯が肝で
いわゆるネオクラストのニュアンスも感じられたが、
そういった命を宿し続けつつ突破してトラッドの調べにまで行き着いている。
たおやかなアコースティック・パートやアンビエント・パートも含み、
90年代後半あたりのNEUROSISのようなヘヴィ・パートも盛り込み、
ほとんどの曲が5分以上で2曲が9分弱で曲が長めながら一発で耳に残るドラマチックな楽曲展開が光る。

ヴォーカルも研ぎ澄まされている。
音に呼応した加速パートではブラック・メタリックなスクリームも轟かせるが、
音楽的にもニアミスしている中期~後期Siouxsie and The BANSHEESの頃のスージー・スーに
K.U.K.L.やSUGARCUBES時代のビョークが混ざったような、
メロディアス歌唱の方が目立つ。
音の質感でも接点があるPORTISHEADのベス・ギボンズを彷彿させるほどのナマの声にも驚かされた。
歌詞は英語で、
やはり中期以降のSiouxsie and The BANSHEESを思い出す“私”と“あなた”の物語。
目の前にいる人間に向き合えなければ世界に向き合えるわけないのだ。

頭デッカチのゴスにもシューゲイザーにも堕することなく、
シンガーの声をはじめとして響きが生々しい。
雲の流れのようにナチュラルだからである。
もちろん濡れたヴォーカルは歌として鳴り響いているが、
インスト・パートも多いだけに楽器も“歌”として気持ちを綴れ織っているところが大切で、
デリケイトな情感をたたえている。

約64分10曲入りの堂々たる力作だ。


★オースブレイカー『レイア』(デイメア・レコーディングス DYMC-271)CD
三つ折り紙ジャケット仕様で歌詞の和訳付。


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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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