なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

bloodthirsty butchers『kocorono』[最終盤]

ブッチャーズのココロノ


北海道出身で90年代初頭に拠点を東京に移した“ギター・ロック・バンド”、
bloodthirsty butchersが20年前の10月23日に出した4作目のオリジナル・アルバムの“最終盤”リイシュー。

艶消し黒の丁寧な作りの厚手の紙製ケースに、
通常のプラケース+ジャケットのCDと、
カヴァーを外した文庫本のようなデザインの表紙の80ページの右開き縦書き冊子が収納された豪華版である。
CDは今年リマスタリングされた音が使われ、
本編の11曲+静謐なギター・インストのシークレット・トラックに加え、
9分を越えるエレクトリック・ギター弾き語りのアシッド・フォーク調の未発表音源「kocorono」が加えられている。
冊子には射守矢雄(b)と小松正宏(ds)に加え、
当時吉村秀樹(vo、g)が掛け持ちしていたCOPASS GRINDERZの二人
(『kocorono』のジャケット等を担当した榎本是朗と“プロデューサー”の名越由貴夫)らの、
新規インタヴューなどで構成されている。

代表作というだけでなくバンドとして節目になったアルバムだ。
米英の激情パンク・ロック/ポスト・ハードコアの音ながら絶叫トーンが薄れ、
日本のフォークの流れをくむわかりやすいテクスチャーの日本語ロックとも言えるようになり、
それまでの作品よりも日本の情趣が五割増になったアルバムなのである。
でもエゴ丸出しで押しつけがましいハキハキした発声のヴォーカルの日本語フォーク/ロックとは一線を画し、
ヴォーカルだけでなく楽器もすべてひっくるめてオリジナルの“歌もの”であり、
研ぎ澄まされた音で息が詰まるほどの“もやもや感”に覆われて空漠の歌が漂泊している。

前述の冊子には、
『kocorono』のリリースに伴って96年の9月に僕が行なったインタヴュー原稿
DOLL誌96年12月号/№112掲載)も含まれている。
米国のDRAG CITY Recordsの話も飛び出すその記事を読んでこういうアルバムに仕上がったのも納得できたが、
“着地点”を探り続けるかの如く一つの質問に対していつまでたっても話が終わらない吉村の回答ぶりも思い出し、
物理的にも精神的にも重いブツである。


★bloodthirsty butchers『kocorono』[最終盤](キング KING 93432)CD


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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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