なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

HERETIC RITES『In Satan's Claws』

HERETIC RITES


昨年11月に東京のSITHTERと日本ツアーを行なった、
セルビア拠点のドゥーム“パンク”メタル・バンドの日本盤CD。
彼らが昨年リリースした同タイトルのカセット作品『In Satan’s Claws』の4曲に2曲を加え、
ジャケットは新調されている。

HERETIC RITESのバンド・キャンプなどの情報によれば現メンバーは、
セルビアのクラスティなデス・メタル・バンドのEXORCISEDのギターとベース(共に+ヴォーカル)と、
クロアチアのブラック・スラッシュ・メタル・バンドのBEZDANのドラマーに、
キーボード奏者が加わった4人と思われる。
民族浄化の目的をはじめとする壮絶な殺し合いも記憶に新しい90年代前半の紛争も含めて、
セルビア人とクロアチア人の長年の民族対立を思えば興味深い編成だ。

BLACK SABBATHのファーストのようなオープニングのSEが象徴するように、
全体的に70年代前半のBLACK SABBATHの“ロックな曲”を想起するが、
ELECTRIC WIZARD直系のパンク・テイストもイイ塩梅で効いている。
スロー~ミディアム・テンポのドライヴ感のドゥーム・チューンに
虚脱から解脱に至ったかのように気だるげで繊細なヴォーカルが泳ぎ歌い、
世捨て人の風情ながらパワーは十分。
手数が多めのドラムもいい味を出していてゆるいグルーヴ感がたまらないし、
キャッチーな哀愁のギター・ソロも心憎い一方、
ツー・ビートも含む疾走パートはクラスト・パンクである。
もちろんどこそこのジャンルだの集団だのに属する考えなんてハナっからない非脳天気な天然。
おのれを貫く終末感のヴァイブレイションに突き動かされているから生々しい。

オカルティックで猟奇性をはらむ歌詞に世界各地の現実をダブらせることも可能だ。
血で血を洗ってきたバルカン半島の埃が匂い立つぬかるみのサウンドが煮立ち、
臭気ムンムンで聴き応えありありの一枚。


★ヘレティック・ライツ『鮮血!! 悪魔の爪』(梵天 BTC-009)CD
歌詞の和訳付。


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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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