なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

映画『ブラッド・ファーザー』

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『マッドマックス』『リーサル・ウェポン』シリーズの主演で知られ、
アカデミー賞の録音賞と編集賞を受賞した『ハクソー・リッジ』(2016年)等の監督もしている、
メル・ギブソンが主役を務めたフランス映画。
ハードなアクションものながら親子愛の物語も絡めた人間臭い作品だ。
1966年パリ生まれのジャン=フランソワ・リシェ(『アサルト13 要塞警察』ほか)が監督し、
1969年LA生まれのピーター・クレイグ(『ザ・タウン』ほか)が原作・脚本を手掛けている。


深読み解釈すると、
メル・ギブソン自身のことをイメージすると同時に、
『マッドマックス』から40年後に
あの“マックス”が一人娘の父親になって荒野に帰ってきたかのような錯覚も抱かせる映画だ。

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ジョン・リンク(メル・ギブソン)はアル中のリハビリをしながら彫り師として身を立て、
米国内のトレーラーハウスでひっそりと暮らす保護観察中の身。
生き別れて4年前に行方不明になっていて生きていれば18才の娘のリディア(エリン・モアーティ)から
突然電話がかかってくるも、
彼女はトラブルを起こしたギャングからも警察からも追われていた。
かたやジョンはおのれとの闘いの日々だった。
だがアルコールだけでなくドラッグも断ち、
真面目に日常を送って仮釈放から“本釈放”を目指すべく無難に過ごしているうちに、
“心の張り”を失って眠っていたジョンの熱情が点火された。
父親失格だったジョンは娘を守るために銃を持って立ち上がり、
無法者の若造たちを相手に、
筋金入りの無頼派アウトローのスピリットで立ち向かう。

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おおまかにストーリーを書くとこんな感じだが、
シンプルかつストレートな話ながらもちろん紆余曲折。
アメリカ社会の一部を炙り出しながら、
友情も絡めて人間関係のつながりもさりげなく織り込んでいる。

バイクや銃撃などのアクションも“売り”の映画とはいえ、
過剰なまでにやりまくる映画が多い米国産とは一味違うクールな描き方も印象的だ。
もちろんメル・ギブソンは激情で燃えたぎっているが、
いい意味で年を重ねた“不良”の凄味でぐいぐい押してくる。
本作用のインタヴューで監督が言った
「一緒に仕事をするにあたり、メルほど控えめで、冷静な人物はめったにいません」
という言葉もなるほど !と思える演技なのだ。
娘のリディアも父に対する気持ちを押し殺しているかのようで、
いかにもの“感動型”とは一線を画す調子で演じられ、
それはラスト・シーンの佇まいにも表れているとも言えよう。
フランスの監督ならではと言える感情のブレンドが体感できる。

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撮影中に『駅馬車』などで知られる西部劇の帝王ジョン・フォードを監督は意識したらしいが、
撮影地は同じ米国ながらニューメキシコ州アルバカーキ周辺だという。
荒野がメル・ギブソンを引き立てている。
メキシコと国境を接する南部で、
トランプからもヒラリー・クリントンからも見放された“今のUSAの人々”が
ジョンの周りで生活している光景も見えてくる。

娘のリディア役を演じたエリン・モリアーティは1994年ニューヨーク生まれで、
『Marvel ジェシカ・ジョーンズ』(2015年)や『はじまりへの旅』(2016年)に出演している女優だ。
最近だと『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(2016年)で知られる、
ディエゴ・ルナが冷酷なギャング役で貢献。
そして『君が生きた証』(2014年)では監督も行なっている、
ウィリアム・Hメイシーがジョンの友人役として映画を引き締めているのであった。


★映画『ブラッド・ファーザー』
2016年/フランス/英語/シネスコ/ドルビーデジタル/88分
監督:ジャン=フラソワ・リシェ
脚本:ピータ・クレイグ
出演:メル・ギブソン、エリン・モリアーティ、ディエゴ・ルナ、ウィリアム・Hメイシーほか
提供:ハピネット/ ポニーキャオン
配給:ポニーキャオン
原題: BLOOD FATHER
クレジット: © Blood Father LLC, 2015
公開表記: 6月 3日(土)新宿武蔵野館ほかにて全国ロードショ。
http://b-father.jp/


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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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