なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

REDSHEER、NEPENTHES at 東高円寺二万電圧 5月6日

REDSHEERとNEPENTHES


東京・東高円寺のライヴ・ハウスである二万電圧のプレゼンツのライヴ、
”GOLDEN WEEK SPECIAL 2MAN GiG”に行ってきた。
REDSHEERNEPENTHESという、
現在進行形のロックを体現する東京のバンド同士の一騎打ちである。


リリカルなSEに導かれてステージに登場したREDSHEERはゆったりした演奏で始まったが、
オノザト(vo、b)の最初の一声で決まった。
一発で僕もヤられた。
鬼の形相で吐いた渾身の本気ヴォイスがこの日のライヴ全体をリードし、
冷厳なる熱いサウンドの渦が一気に会場内を支配していったのである。

REDSHEERはロックのエクストリームな道を凝縮してきている。
90年代以降のハードコア、ノイズ・ロック、デス・メタル、ドゥーム・ロック、ブラック・メタルなどの、
形をなぞるのではなく肝を濃縮している。
前にも書いたが、
RELAPSE、EARACHE、AMPHETAMINE REPTILE、HYDRA HEADあたりのレーベルの、
混血不穏分子をブレンド&アップデートしたようなサウンドの放射をこの晩も体感できた。

激情であることに変わりはないがエモもヘッタクレもないしスノッブなアートとも一線を画している。
あらためて思ったのはメタリックなギターのリフがポイントということで、
銀河の如く研ぎ澄まされた硬質な金属音の流れとともに覚醒のアクセントになっている。
ヴォーカルもあくまでもハードコア・スタイルだ。
興奮が高まると攻めのアクションもとる腕の振りの大きいドラムをはじめとして変則リズムを絡め、
曲によってときおり抒情の調べも織り込みつつ、
トリオ編成ならではのギリギリの交感が産み出す轟音の渦は“はらわた”から搾り出された響きだ。
すべては苦渋と苦汁を突き抜ける感情のヴァイブレイションであり、
精神に直結して軋むサウンドが生で心に突き刺さり生で肉体を打ってきた。

この日は何度か合間に“息つきタイム”も設け、
サウンドにも宿るRED SHEERならではの“ファック・ユー!”アティテュードと意志が
ちょっとしたMCでも表されていた。
来夏のリリースを予定しているセカンド・アルバムに向け、
またじっくりと進み始めていることが実感できた約75分のステージだった。


20分ほどのセット・チェンジの後にNEPENTHESが登場。
ゴールデン・ウィーク中に決行した3日連続東京ライヴの最終日ということで、
時間はたっぷりある!とばかりに長い曲も含めてたんまりやってくれた。
アルバムはもちろんのことライヴだと一層、
NEPENTHESも無意識のうちにロックを突き詰めようとしているように思えてくる。

ロックの深化形であるドゥーム・ロックやストーナー・ロックのエキスを全身で吸い込みながら、
ポーズなしでヤサグレたへヴィ・ロックンロールを轟かせている。
専任シンガーがフロントに立つ4ピースのロック・バンドならではのケミストリーで、
強靭そのもののサウンドのうねりが終始会場内を支配して観客の気持ちを解放していった。
既に完成されているように思えるほどいつもパーフェクトなパフォーマンスを展開しているが、
見るたびにベスト・ライヴを更新しているのだから恐ろしい。

寡黙な動きのベーシストも含めてロックの見せる要素も大きく、
必殺フレーズとリフの連発で痺れる演奏に集中しつつギタリストもここぞという時に観客に働きかける。
曲間だけでなく曲中も全身でハジけるドラマーが一番のイケイケのアクションだが、
そういうノリが演奏にも反映し、タメを効かせるところはタメを効かせて走るところは手数多く走り、
スローな曲も含めてバンド全体を制御加速させている。
バンカラなネギシ(vo)のハードコア歌唱も絶好調だ。
歌わないパートの動きも含めてナチュラルな野性のステージングは観客に媚びず驕らず、
終盤には観客の中に入って“肩車”されて歌うシーンも。

本編終了後はメンバーが前に出てきて、
そこそこ有名な来日バンドがよくやる“儀式”というべき前方の観客との握手をあえて行ない、
プレイ同様にいい意味でプロフェッショナルな“ショーマンシップ”で一旦“幕”を締める。
だがそこで観客は帰らず帰さずアンコールに突入。
数度のMC“なごみ”タイムを設けつつトータル87分。
まさに圧巻の一夜だった。


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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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