なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

JURASSIC JADE『Gore』『誰かが殺した日々』

85年から東京拠点に活動している女性ヴォーカルの“エクストリーム・バンド”、
JURASSIC JADEのセカンドとサードのリイシューCDのライナーを書かせてもらいました。
共にすべての歌詞が載った8ページのブックレット付で、
リマスタリングは昨年12月~今年1月に中村宗一郎(ピース・ミュージック)によって行なわれている。

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●JURASSIC JADE『Gore』(BxTxHx BTH-029)[89年]CD
オムニバスLP『Heavy Metal Force Vol.3』[85年]収録の「I Was Born To Thrash」「流血人形」、
オムニバスLP『Skull Smash Vol,1』[88年]収録の「Child Abuse(Live)」、
『Gore』のLPに封入されていたソノシート「精神病質(Live)」の計4曲を追加収録。
SLAYERの『Reign In Blood』を日本流に解釈したようなストレートな怒りのスラッシュ・メタル名盤だ。


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●同上『誰かが殺した日々』(同上 BTH-030)[91年]CD
ライヴ・カセット作品『Pirated Edition Vol.1』[95年]の全6曲を追加収録。
初期JURASSIC JADEを極めた憤怒と悲痛のスラッシュ・チューンの連打から、
DOOMの藤田高志のプロデュースも功を奏した新たな試みで精神世界の自己解放にも向かう壮絶盤。
世界的なメタルとしても日本のロックとしても評価されてしかるべき最高傑作の一枚だ。


昨年3月11日にKING Recordsから、
“HEAVY METAL FORCE vs SKULL SMASH 2009 ★EXPLOSION LABEL ANTHOLOGY★”として、
SABBRABELLS、SHELLSHOCK、GROUND ZEROと共にリイシューされるはずだった2枚である。
だが通称“レコ倫”から「このまま発売するのはいかがなものか」みたいな物言いがつき、
強制力がないとはいえレコード会社内で検討した結果、
既に製造されて商品ができあがっていたにもかかわらず出荷直前に発売中止で廃棄処分になったという。

“オマンコに指突っ込んで~”と「昭和の大飢饉予告編」で歌った、
三上寛の『ひらく夢などあるじゃなし』がAvexから発売されている昨今だが、
まだメジャー・ディストリビューションでは言葉のそんなアレコレが行なわれている。
そのAvexからの発売とはいえそんなこんなで日本脳炎もバンド名を変えたわけだし。
“もはやメジャーとインディの境目なんかない”ってな文句は嘘ということ。

今回ジャケット右下に“PARENTAL ADVISORY EXPLICIT LYRICS”というアレが入っている。
HIGH ON FIREの『Snakes For The Divine』でも思ったが、
前向きに捉えればある意味で勲章とも言える。
いや彼らのケースとJURASSIC JADEの場合は違う。
インディ流通の今回は入れる必要はなかったし、
そもそも日本流通盤には入れる必要がない。
昨年発売されるはずだったジャケットのデザインには入ってなかったのだが、
レーベル主宰者の方によればソングライティングの核のノブ(g)の要請で急遽デザインされたという。
温厚そうに見えて昔の自己分析のアンケートで“頑固で気が短い”と答えていただけはある痛烈な皮肉だ。

リイシューされた2枚のどの歌詞がNGだったのかは知らない。
BURRN!誌の4月号のロング・インタヴューによれば47ヶ所のチェックが入ったらしい。
すべてがハードコア・バンド以上にhardcore(筋金入りで露骨)な表現だから、
すべてが究極的に危険だ。

太平洋戦争~湾岸戦争、
親殺し~子殺し~幼児虐待~アダルト・チルドレン、
さらに日本の根源的な体制、
すべてがつながっているということを2枚で描き出している。
映画『アリ地獄のような街』のところでも書いたように政治と家族は切り離せない。
中華人民共和国のこともひっくるめて20年前とまったく変わってないことにも驚く。
むろん知識で武装した頭デッカチや芝居がかった演出じゃなく、
上滑りせずに肉体化されているナマの表現だ。
痛々しい音で加速して刺さってくる。
曲も最高だ。

スタイルがハードコアだろうがパンクだろうがメタルだろうがフォークだろうがサイケデリックだろうが、
本気の表現ははらわたに響く。
音と声と言葉の奥の意識を感じて取っていただきたい。


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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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