なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

映画『二度めの夏、二度と会えない君』

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赤城大空の同名小説を原作にした青春ラブストーリー映画。
“バンドやろっ!♪”って感じでバンドを始める高校生たちの物語だ。
“みんなで力を合わせて頑張ろう”というまっすぐなストーリーが基本ながら、
意味深なタイトルどおりに映画の作りが一筋縄ではいかないユニークな心理劇でもある。
主演でバンドのギタリストは最近だと『武曲 MUKOKU』に出た村上虹郎で、
ヒロインでバンドのシンガーは“たんこぶちん”のヴォーカル/ギターの吉田円佳だ。


燐(吉田円佳)は文化祭でライブをするという夢を叶えるために転校してきた。
ほとんどの人にとってはそんなことが夢にはならないだろう。
でも燐には“時間”がなかった。
智(村上虹郎)、姫子(金城茉奈)、六郎(山田裕貴)にバンド・メンバーが固まるも、
その高校ではバンド活動が禁止されていた。
教頭(本上まなみ)にも厳しい目で見られていたが、
生徒会長(加藤玲奈)が手助けし、
楽器店/リハーサル・スタジオのオーナー(菊池亜希子)もサポート。
夏の文化祭に向けてバンドは練習に励む。

夏のおわりに智は燐に自分の想いを伝える。
“今、言っておかなきゃ後悔する”と思ったのだろう。
だがそれは取り返しのつかない言葉として燐の胸に突き刺さる。
「なぜ、あんなことを言ってしまったのだろう」と思ったある日、
半年前にタイムリープした智は燐との関係をやり直すチャンスを手にして、
“二度めの夏”に挑む。

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同名小説の原作がある映画とはいえ、
ネタバレを避けるべくオフィシャル・サイトでも映画の肝に触れてない。
↑で書いた話の筋は映画の7割ぐらいのストーリーを大まかにまとめてはいるが、
ある意味、映画のイントロダクションしか書いてない。

でもこの映画を観に行った人は序盤のたぶん5分ぐらいで一種の“結末”を見せられてしまう。
最初に“最期”を見せてしまう映画だからである。
ある意味、まず“一度めの夏”の結末をさらし、
“二度めの夏”で主人公が人生の物語を書き変えようと悪戦苦闘する映画なのだ。

やり直そうとする目的は恋、
いや人間関係、
いやいわゆる異性関係である。
友達と恋の間の“好き”の微妙なラインは今も昔も変わらないのだろうか。
いや、そもそも、友達と恋との違い・・・いやその二つに決めつけられない関係もあるのではないか。
そういう永遠に結論の出ないテーマが描かれているようにも思えるが、
やっぱり純愛物語に見える。
ほろ苦く、切ない。

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“あの時ああすればよかった”“ああ言えばよかった”と
“ああ言わなきゃよかった”“ああしなければよかった”というのがある。
僕は前者の後悔が多いが、
後者で大問題を引き起こすことも多い。
この映画の主人公も“ああ言わなきゃよかった”だったが、
実は“(あの時)ああ言えばよかった”であった。
だから“二度めの夏”で“二度と会えない君”に真正面から向き合う。

映画の中でスマホの類をほとんど使ってないところにも注目したい。
メールやLINEとかで気持ちが通じきれるわけがない。
直接言わないとダメだし、
何より面と向き合わないと伝わるわけがない。
たとえそれがこの映画の序盤みたいに誤解であったとしても。


ぐずぐずした村上虹郎や歌は地でやっている純情な吉田円佳をはじめとして
バンド・メンバーの演技はもちろんのこと、
うっすらと三角関係も匂わせながら真面目キャラそのままの加藤玲奈(AKB48)がいい味を出している。
本上まなみも堅物の役がピッタリだ。


★映画『二度めの夏、二度と会えない君』
2017年/日本/カラー/106分/5.1ch/スコープ・サイズ   
© 赤城大空・小学館/ 『二度めの夏、二度と会えない君』パートナーズ
9月1日(金)、新宿バルト9他全国ロードショー。
www.nido-natsu.com


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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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