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なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

片山広明×藤掛正隆『INSIDE or OUTSIDE』

片山広明×藤掛正隆『INSIDE or OUTSIDE』


渋さ知らズ周辺の活動でも知られる同士の
片山広明(テナー・サックス)と藤掛正隆(ドラムス、エレクトロニクス)が、
今年7月に横浜のストーミー・マンデーで行なったライヴのCD。
藤掛がエディットして約37分6曲にまとめられている。


歌いまくるサックスがまず圧巻だ。
ジョン・コルトレーンやアルバート・アイラー、
さらにオーネット・コールマンが思い浮かびもするが、
豪放磊落な野武士の佇まい。
ぶっきらぼうにジャズを突き抜ける陽気なブルースの如き野太い持続音に身震いがする。
のんびり始まり、
飄々と、
優雅に、
悠然と、
ゆるまず、
何が起ころうが動じず、
じっくりと自在に気持ちよく歌い上げる。
勢い余って声が聞こえてくる瞬間にも息を呑む。
それでいてまろやかで艶っぽいのだからたまらない。

ドラムはいかにものジャズのリズムは叩かない。
新種のダンス・ミュージックみたいなリズムも繰り出しながら、
バンカラゆえにジャズに成り切れないのがたのもしいドラムがサックスにロックを焚きつける。
片山の音にひるまず、
藤掛はエレクトロニクスも発しつつ腕っぷしの強い原始ビートでジャブを繰り返し、
時にアッパーカットを食らわす。

名義どおりに、足し算ではなく掛け算の演奏である。
どっちも豪胆。
ある時は土足で闊歩し、
またある時は下駄履きで踏み込んでくる。
タメにタメて、
しまいには加速する。

パンク・ジャズとか呼ばれる類いのエキセントリックなことはやってない。
言い訳無用の音だ。
どんなジャンルにも言えるように、
あくまでもストロング・スタイルのアウトサイダーを貫くがゆえに、
オベンキョーして頭でこしらえた優等生の様式美とは百万光年かけ離れている。
あくまでも肉体派の汗が音から滲んでいる。
本物にジャズもパンクもヘッタクレもない。

はらわたから放射される音は、
はらわたを震わせる。
はらわたを揺さぶる。

そして歌心の大切さをあらためて知る。

熱を帯びてゴツゴツした“生”の音の感触の仕上がりもグレイト。


★片山広明×藤掛正隆『INSIDE or OUTSIDE』(FULL DESIGN FDR-2031)CD
薄手のプラケース使用。


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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、ギター・マガジン、ヘドバンなどで執筆中。

https://twitter.com/VISIONoDISORDER
https://www.facebook.com/namekawa.kazuhiko
                                

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