なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

GREEN FLAMES(成田宗弘、田畑満、氏家悠路) at 高円寺Show Boat 2010年3月8日

GREEN FLAMES

HIGH RISEの音の核を成しつつ近年は多彩な活動している成田宗弘(vo、g)と、
ZENI GEVAをはじめとして多岐にわたる精力的な活動を繰り広げる田畑満(b)らが、
2008年に始めたトリオ・バンドのGREEN FLAMES。
昨年12月に、
HIGH RISEで成田と活動を共にした氏家悠路(ds)が加入してからの初めてのライヴに行ってきた。


氏家はハードコア・パンク時代のEXECUTEのドラマーだった(当時の芸名はHIRO)。
後にGASTUNK(GASTANK)で活躍するBABYやBAKIがいた頃のEXECUTEで叩いてから、
セカンド・アルバム以降に加入してHIGH RISEを加速させた“張本人”である。

HIGH RISEは、
来日公演で2度オープニング・アクトに指名したMUDHONEYをはじめとして、
耳の肥えた海外のバンドの間でもカルト的な“サイケデリック・ロックンロール・バンド”で、
早すぎたストーナー・ロックンロール・バンドとも言える。
昨年あたりはHIGH RISE復活の動きもあったらしいが、
乗り気でないメンバーがいて話が流れたという。

成田と田畑はずっと音楽活動を続けてきているが、
氏家は長年音楽シーンから“引退状態”であった。

この晩のアンコール前にステージ前に出て来て氏家自身がその時のことを謝罪していたが、
17年の前のとある日、
この日と同じショー・ボートでのHIGH RISEのライヴを本人曰く“エスケープ”。
ぼくもそのライヴに行っていたから話を聞いてショックを受けたことをよく覚えていて、
対バンの石原洋率いるWHITE HEAVENのベーシストだった志村浩二(現みみのこと他)が急遽ドラムを叩き、
セッションみたいな演奏でどうにか場を収めていた。

その日以来プライヴェイトな事情でバンド・マンとしての氏家悠路はシーンから姿を消した。
彼とは一時楽しく遊んだりしていたぼくも、
それ以来人間関係も途絶えてしまっていたから個人的にもうれしい再会であった。


歌とギターでHIGH RISE時代からやっていたGREEN MOON ON THE WATERで昨年音楽活動を再開し、
このたびGREEN FLAMESでドラマーとしても復活。
驚くなかれ17年間ドラムを叩いておらず本人も本番前は不安げだったが、
パワフルで味わい深いエイト・ビートを叩かせたら世界的に右に出る者はいないと断言できる、
天才・氏家悠路は健在であった。

むろんGREEN FLAMESの曲はエイト・ビートだけではない。
ハードコア・パンクみたいなファスト・ナンバーもやったし、
静かなスロー・ナンバーも披露。
そのスピード感を制御していたのがフリークアウトしたR&Bやガレージ・サイケみたいなベース。
普段はデリケイトなギタリストとして知られてステージに立つと人格が変わる生粋のミュージシャンの田畑が、
ほとんど左手を見ずに前を見据えて弾きまくる悶絶ベースにたまげた。
奇才・田畑満は健在であった。

HIGH RISEの初期の名曲「Psychedelic Speed Freaks」みたいな高速チューンもブッ放していたが、
いくらHIGH RISEの最強メンバー2人を擁していようが、
GREEN FLAMESはHIGH RISEの曲をやるつもりはない。
インプロヴァイズしていく成田の超絶ギターは、
即興セッションみたいな形だと自在に飛び回るが、
“バンド”という限定された枠の中で凝縮されて凄みを増すと再認識した。
さらに聴きどころは成田のヴォーカル。
いわゆる東京ロッカーズや東京ニューウェイヴ周辺の70年代末のバンドも思い出す繊細さで、
70年代の山口冨士夫やE.D.P.S.やソロでのツネマツマサトシ(元FRICTION)といった、
日本のギタリストのヴォーカル・スタイルの流れも感じさせる。
妙に巧いのかどうかなんてことは知ったこっちゃない。
妙な旨みがある。
不慣れで硬いところもライヴを重ねればダシが出る。
メンバー紹介などのMCも人間味がある。
鬼才・成田宗弘は健在であった。


いきなりトータル80分弱のステージで満員のお客さんを痺れさせたGREEN FLAMES。
音源の発表が待たれる。


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コメント

もろもろ事情にて当日はご挨拶なしで失礼してしまいました
すみません

オトナゲない良いライヴでしたね~

「いきなりトータル80分弱のステージで満員のお客さんを痺れさせたGREEN MACHINE。」

再結成してたんですね 今後の活動が楽しみです
行川さんはタダ見でいろいろなライヴを見れてうらやますいです

コメントありがとうございます。
はっとりさん、問題ないです。「オトナゲない」って上手い表現ですね。
りょうぞうさん、今後の活動が本当に楽しみです。

ご無沙汰しております、氏家さん復活、とてもうれしいです。大昔、エッグプラントで観たハイライズは、「俺もこんなバンドやる!」て気持ちにさせられました。出来てませんが(笑)。

suharaさん、コメントありがとうございます。もちろんハイライズとは違いますが、suharaさんがリリースしたくなるような音のバンドだと思いますよ。メンバーの顔ぶれ的にもsuharaさん狂喜ではないでしょうか。

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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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