なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

The Jeffrey Lee Pierce SESSIONS PROJECT『We Are Only Riders』

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LAのGUN CLUBのリーダーで96年に他界した、
ジェフリー・リー・ピアース(vo、g)をトリビュートするようなプロジェクトのアルバム。
約66分16曲入りである。


GUN CLUBは80年結成というタイミングもさることながら、
“ガレージ/ブルース/カントリー・パンク”とも言うべき音楽性だったから、
いわゆるLAパンク・シーンとは活動フィールドが微妙に違っていたように思う。
45 GRAVEとの絡みがあったしXの流れも感じさせる音楽とはいえ70年代のパンク・シーンにも、
ましてや80年代のLAハードコア・パンク・シーンとは違うところで息をしていた。
ポジション的にはCRAMPSに近かったとも言える。

このプロジェクトの企画者は、
ブルース・カヴァー中心のアルバム『Ramblin' Jeffrey Lee and Cypress Grove with Willie Love』を、
ジェフリーと一緒にレコーディングしたことがあるサイプレス・グローヴ。
ジェフリーと作ったテープを自宅の屋根裏を掃除していた時に発見。
劣悪な音質だったからそのままCDにするのは難しかったが、
録音された曲を世に発表すべくジェフリーの友人たちに声を掛け、
生前に残していたギターの音も適宜使いつつ彼の曲を“リメイク”したのである。

The Jeffrey Lee Pierce SESSIONS PROJECTの面々は、
ニック・ケイヴ、マーク・ラナガン(SCREAMING TREES)、デイヴ・アルヴィン(元X)、
ミック・ハーヴェイ(元BIRTHDAY PARTY~BAD SEEDS)、イザベル・キャンベル、
デビー・ハリー(BLONDIE)、クリス・スタイン(BLONDIE)、サイプレス・グローヴ、
リディア・ランチ(元TEENAGE JESUS AND the JERKS)、ジョニー・ダウド、
バリー・アダムソン(元MAGAZINE~BAD SEEDS)、デイヴィッド・ユージーン・エドワーズ、
キッド・コンゴ・パワーズ(元CRAMPS~GUN CLUB~BAD SEEEDS)、
RAVEONETTES、SADIES、CRIPPLED BLACK PHOENIXらである。

英米のミュージシャンがほとんどとはいえ年代的にもシーン的にも幅広いメンツなのがうれしい。
曲によって様々な組み合わせでやっていて、
マーク・ラナガン/イザベル・キャンベルやニック・ケイヴ/デビー・ハリーといったデュエットもある。
ダークなカントリー/ブルースといった趣とはいえ役者揃いだから、
ヘヴィに仕上がっていて聴き応え十分。
かなり濃い。

ニック・ケイヴは後期BIRTHDAY PARTY以降にやっていることがGUN CLUBの影響も大だから、
やっぱりハマりすぎだ。
BLONDIEのメンバーの参加は意外なようにも思えるが、
ジェフリーはBLONDIEのファン・クラブの会長を務めていたらしく、
BLONDIEは99年の『No Exit』収録の「Under The Gun (For Jeffrey Lee Pierce)」で追悼している。
デビー・ハリーとリディア・ランチが歌う曲は共に惚れ直すほどの出来だ。

元IRON MONKEY~ELECTRIC WIZARDのジャスティン・グリーヴズ率いる、
CRIPPLED BLACK PHOENIXが2曲に参加しているのもドゥーム系ファンにはうれしい。
こじつければここ数年のEARTHの路線も本作とリンクできるのではないだろうか。

色々と発見が多くてオススメ。


●The Jeffrey Lee Pierce SESSIONS PROJECT『We Are Only Riders』(GLITTERHOUSE GRCD 702)CD
三面デジパック仕様。
12ページのブックレットには個々のレコーディング・データや写真に加え、
ヘンリー・ロリンズ、ヴィム・ヴェンダーズ、クレイグ・レオンらのライナーも載っている。
クールな愛情あふれる一枚。


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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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