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パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

VELVET UNDERGROUND『Transmission Impossible』

VELVET UNDERGROUND『Transmission Impossible』


VELVET UNDERGROUND関連の音源を収めた3枚組CD。
権利関係的に“灰色盤”のようだが、
いわゆる一般の流通網で出回っていて比較的安価で売られているから紹介する。


約73分16トラック入りのディスク1が今回の目玉だ。
ラジオで流されたという1966年のリハーサル音源13曲と、
同じくラジオで流れた1966年2月6日の地元ニューヨークのライヴ3曲である。
ブートレッグを漁っている方なら聴いたことのある音源も含むだろうが、
比較的廉価でこうしてまとまって聴きやすくなっているのはありがたい。
ファースト・アルバム『The Velvet Underground & Nico』が出たのが1967年の3月で、
そのレコーディングが1966年の4月以降とされるから、
貴重さは推して知るべし。
革命前夜の“宴”であり、
嵐の前の静けさならぬ、嵐の前のやかましさである。

もちろんクリアーな音質ではないが、
ヴォーカルが小さめのバランスながらエレクトリック・ギターをはじめとして恐ろしく生々しい。
リラックスした練習みたいな佇まいで、
R&Bがベースであることもよくわかり、
ニコも数曲で歌っている。
フリーキーにジャムっているようなプレイだが、
「Venus In Furs」、「Run Run Run」、「Heroin」「There She Goes Again」[2テイクあり]
「I’ll Be Your Mirror」はほぼ完成したヴァージョンで、
「European Son」も一応やっている。

カヴァーも多く、
ルー・リード(vo、g)が比較されるのを終生嫌がっていたボブ・ディランの曲で
ニコが1967年のファースト・ソロ作『Chelsea Girl』で歌った「I'll Keep It With Mine」も披露。
一瞬だけながらこれまたルーが嫌っていたBEATLESの「Day Tripper」もやっている。

エキセントリックであることを狙わず、
底が見える頭デッカチとは対極のまさにワイルドな“ロックンロール”だ。
得体のしれない熱情が全編ほとばしっている。


ディスク2は1968年10月2日のライヴを収めた約77分12曲入り。
多少曲順が入れ替わっているが、
『La Cave 1968 (Problems In Urban Living)』というタイトルのCDと同日のプレイのようだ。
ジャケット写真には写ってないダグ・ユール(b、kbd、vo他)が加入してまもない頃で、
オシャレから程遠い粗削りのパフォーマンスがいい。
これもラジオでオン・エアされた音源とのことだ。


約67分のディスク3は、
ルー・リード、ジョン・ケイル(vo、kbd、g、ヴィオラ)、ニコ(vo、ハーモニウム)という
『The Velvet Underground & Nico』のメンバーのうちの3人が同じステージに立った、
1972年1月29日のパリでのライヴ
これも『Le Bataclan '72』等のタイトルでリリース済みの公演で
ここいらの人たちのファンにはお馴染みなわけだが、
ボーナス・トラック2曲を含む16曲入りヴァージョンがCDに入っている
(このCDにも“FMで放送されたライヴ”というクレジットあり)。
まさに極北の歌を聴かせるニコのベスト・パフォーマンスをはじめとして、
各々のソロ・コーナーを含みつつ確執ありまくりの3人が一緒にもやっている奇跡の名演。
こういうものに向き合うと空っぽだから策を弄する者が幼稚にしか聞こえなくなるし、
本物だけが持ち得る凄味にあらためて痺れる。


★VELVET UNDERGROUND『Transmission Impossible』(EAT TO THE BEAT ETTB092)3CD
3面デジパック仕様。


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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、ギター・マガジン、ヘドバンなどで執筆中。

https://twitter.com/VISIONoDISORDER
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