なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

REPAIR <<ALOHA SAKHALIN LIVES>> TOKYO “BEIJING VICTORIA” at 高円寺 CLUB ROOTS! 2010年3月21日

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独立したポジションで95年から活動している東京拠点のハードコア・パンク・バンド、
REPAIRが今年1月3日にリリースしたサード・アルバム『Aloha Sakhalin』の発売記念ライヴである。


REPAIRとはベーシストだった今村くんと付き合いがあった。
彼はよく電話をくれて、
自主企画ライヴの“PIN HOLE”のことを熱く語り、
彼が発案したアート性も高い画期的なファンジン『PIN HOLE』にも書かせてもらった
(『Aloha Sakhalin』に歌詞掲載の『PIN HOLE』Vol.3が封入されている)。

98年にREBELABEL/BLOOD SUCKERから出したファースト・アルバム『Muddy Skin With Pain』の時、
REPAIRにインタヴューする機会があった。
その時に出席した今村くんは一昨年亡くなり、
その時に同席したFOOLS MATE誌の東條さんも昨年亡くなっているということを、
開演前にヴォーカルの横山くんと話をして様々な思いが湧き上がってきてからライヴに臨む。


この日のライヴはMARUBULLEMENからスタート。
ヴォーカルがNO SIDE、ギターの一人がENGLISH DOGS、もう一人のギターがUNITED、
ベースがSSD、ドラムがDESTRUCTIONというTシャツのコンビネーションが象徴するサウンドで、
MUNICIPAL WASTEがパンクっぽくなったようなクロスオーヴァー・スラッシュ・パンクで押し通す。
クールなステージングも好みでセンスよくリリースものをチェックしたくなった。

続いては和歌山のMASAKARI。
VIBRATORSのTシャツのギター、VIBRATIONSのTシャツのベース、
CRASSのペイントの上着をはおったヴォーカル、そして女性ドラムという塩梅が示すようなサウンド。
「ナチュラルに」というMCどおりに、ゆるいハードコア・パンクで楽しませてくれた。

3番手はIDORAだ。
活動の拠点が東京なのは80年代後半から変わらずだが、
オリジナル・メンバーの一人のギタリストが青森住まいにもかかわらずコンスタントにライヴを続行。
天に向かってスクリームを突き刺すヴォーカルをはじめとするダイナミックなサウンドをキープしつつ、
ドラムにデス・メタルを感じさせながらもトランス音楽的な反復もあり彼らも独自のハードコアで“進化”。
自分のアンプを持ち込んでいたためかキャリアの為せる業か他のバンドよりシャープな出音にヤられた。

続く大阪のVORACIOUS SOULはキャッチーなハードコア・パンクで押す。
巨漢ヴォーカルがコミカルな動きも見せつつベースはどんどん客席フロアーに進出してきて、
臨機応変でボーダーレスなステージングを展開した。

REPAIR

そしてREPAIR。
ライヴを観るのは数年ぶりだったが、
垢抜けた、いや一皮も二皮も剥けたライヴにビックリした。
一緒に観ていた某ベテラン・ハードコア・パンク・バンドの人も以前の印象と違うことを絶賛していた。

冒頭で触れた『Aloha Sakhalin』は、
45回転の12”レコードというフォーマットを活かしきった彫りの深い音で、
日本のバンドの作品とは思えぬダイナミック・レンジの広いサウンドがパーフェクトな仕上がりだ。
あまりにもレコードの出来がグレイト!だから逆にギグが多少心配でもあったが、
ライヴの音作りもビシッ!としていて観客にしっかりしたものを聴かせる意気込みも万全。
スタンス的にもつるまずユニークなことをやってきた“インディペンデントなサウンド”がステージでも結実し、
無数ハードコア・パンクを聴いてきた人間もうならせる懐の深い音に息吹に殺られたのである。

シンプルかつベーシックなハードコア・パンクとも言えるが、
トリッキーに急転換するわけはないにもかかわらず常道を進まぬフリーキーな展開にあっけにとられる。
初期DIE KREUZENなどの80年代前半の米国の“アウトロー・ハードコア・パンク”も思わせる曲を、
レコードのA面とB面の如く前半と後半に分けて曲間を空けずに立て続けに披露。
オールド・ロックの濃い香りもするブルージーなギターと地を這うベース、
タイトなドラムで加速する音の中を泳ぐように、
高めの声域のヴォーカルが終始マイク・スタンドを持ちながら前を見据えて日本語を放つ。
4人のメンバーひとりひとりが黙々と自分の音や自分の声と向き合い格闘しながら、
こっちが息をつく暇もなく曲を繰り出す。

シンガロングなんてどこ吹く風みたいに突き放したようなステージングは、
大げさに言えば共同幻想とは無縁の佇まいを呈していた。
沸々と燃えたぎるエナジーを放射しつつ“勝手にノってくれ”みたいな我が道を進む潔さに目を覚ます。
この日のライヴに全精力を注いで練習を積み重ねてことが伝わってきたサウンドは、
あらゆるしがらみを含む束縛から解き放たれて地の果てまで疾走したに違いない。
楽しむだけでは終わらぬ解放感を得たハードコア・パンク・ギグは久しぶりだ。

帰り際にヴォーカルの横山くんと交わした
「死なないようにしましょう」
「生きてまた会いましょう」
という会話が妙にリアルに響いてきた。
それぐらい生々しいライヴだったのである。


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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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