書籍『レミー・キルミスター自伝/ホワイト・ライン・フィーヴァー』
2018-12-28

タイトルどおりのレミー・キルミスター(MOTORHEAD)の自伝。
正確には音楽ライターとの共同作業でまとめ上げた本のようだ。
2015年に日本版が出た時にどこかの雑誌でレヴューさせてもらったが、
このたび日本で加筆された重版が発売されたからあらためて紹介したい。
14ページの巻頭グラビア+本編400ページのヴォリュ―ムだが、
レミーのキャラと口調そのままの口語体和訳も相まってガンガン読み進められる。
もちろんMOTORHEADを結成した1975年以降の話が大半だが、
1945年のクリスマス・イヴに生まれてから音楽を始めるまでや、
HAWKWIND時代を含むMOTORHEAD以前のバンド時代もたっぷり綴られている。
アルバムだと2002年の16作目『Hammered』までレミーが言及し、
エピソード満載だ。
“セックス、ドラッグ&ロックンロール”のネタも盛り込まれているが、
スキャンダラスな話や武勇伝の類いを売りにした本ではない。
自粛したというよりこれがレミーの本質なのだ。
MOTORHEADの歌詞の世界観が表れており、
ブレることなく筋を通すレミーのロックンロール・アティテュードに貫かれ、
ジェンダーによる差別に手厳しい真面目な一面も顔を顔を覗かせている。
巻末に、
アルファベットでは主にアルバム・タイトルや曲名、
カタカナでは主にアーティスト名やバンド名が、
索引になっているのもありがたい。
最初に英語版が発売されたのが2002年の秋だが、
日本版は『Hammered』をリリースした2002年以降のレミーの活動などを
先日電子書籍で『モーターヘッド伝説』を出したばかりの長谷川修平が巻末に補足している。
レミーのトピックを簡潔かつ詳細にまとめているが、
2005年に英国ウェールズの議会でドラッグの持論を展開する話にページを割いたところにも、
彼のこだわりとレミーへの愛が感じられる。
今回の重版に際し、
レミーが他界した2015年の項を大幅に書き改め(他のページにも手直しされている部分あり)、
亡くなった後の周りの動きにも言及してビシッ!と締めている。
MOTORHEADと同じくここにはロックの肝とロックンロールの真実が息づいている。
パンク、ハード・ロック、ヘヴィ・メタルのファンの方はもちろんのこと、
プログレやAORも含むすべてのロック・ファン必読とあらめて言っておく。
★書籍『レミー・キルミスター自伝/ホワイト・ライン・フィーヴァー』
A5版並製/416頁 価格:2,900円+税
訳:田村亜紀 日本語版補章:長谷川修平
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