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パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

REDSHEER/SUNDAY BLOODY SUNDAY『HEARTBREAKING noiserocking』(split CD)

REDSHEER/SUNDAY BLOODY SUNDAY


ハードコア/ヘヴィ・ロックの“next”の更新を続ける“トリオ同志”のスプリットCD。
東京~埼玉拠点の2バンドで2曲ずつの収録だが、
トータル・タイム15分32秒とは思えずいい意味で長く感じるほどヴォリューム感十分で、
聴き応えありありのCDだ。


まずREDSHEERは3分半~4分のミディアム・テンポと適度なアップ・テンポの
「Forthcoming Fire」「Putrefaction」の2曲を提供。
50日前ほどに出たSUNDRとのスプリットCDに続く音源だが、
印象に残るフレーズを内包してコンパクトにまとまったハイ・クオリティの佳曲の連続に、
現在のREDSHEERの“生”が凝縮されている。

いまだ興奮が冷めやらぬ昨年12月29日のステージが蘇る仕上がりで、
その会場だった東京の東高円寺・二万電圧でのライヴで体感しているような膨張音像だ。
ギターもベースもドラムもヴォーカルもエネルギッシュに息をしたままのクールな躍動が聞こえてくる。
ミックスに時間をかけたことがよくわかるサウンドのバランスで、
ベースの音がやや大きめなのも非常に大切。
グラインドコアも重要ルーツのオノザト(vo、b)のベース・ラインがデカいと、
REDSHEERサウンドがますます重く響いて聴き手の心身をグラインドする。

リズムのズラしの拡散と研ぎ澄まされた濁流の収斂を繰り返して混沌のうねりを生み、
窒息寸前の閉塞を中央突破するサウンドに背筋が立って息を呑む。
ギターはブラック・メタルとUSノイズ・ロックの混血の痛切な旋律と殺伐リフで研ぎ澄まし、
押しと引きで牽制しながらメンバー全員が曲を推し進める交感の様子が伝わってくるが、
加速度を絶やさないドラムが背後からさりげなくリードしているのも大きい。

ますますヴォーカルは崖っぷちのシャウト、シャウト、スクリームが炸裂。
ますます体裁を気にしてないフラストレイションの炸裂ってわけである。
前述の昨年末のライヴの曲間でオノザトは
熱心なファンと思しき観客から「汗かきすぎ~!」と突っ込まれていたが、
汗をかくことはロックとしてプリミティヴな基本だとあらためて思う。
ライヴだけでなくレコーディング音源でも同じくであり、
精神的にも“汗臭い表現”でなければ心から胸を打つことはない。

進化を標榜するバンドは頭デッカチになりがちだ。
エクストリームを気取ってもスノッブやオシャレの臭いがする音楽は無味無臭で、
体裁をそれっぽく整えているだけでは感心はしても感動することはない。
なぜならそれって中身がなんもない証しだから。
細かいジャンル分け抜きにしてロックのスタイルでやっているのなら熱くロックしてないと論外だろ。
REDSHEERも進化を口にするバンドだが、
“深化”もビシッ!と並走している。
それこそMOTORHEADに直結するロック魂も宿る。
だからこのCDの2曲を浴びているとこっちのカラダも気持ちも燃える。

REDSHEERのセカンド・アルバムが今年の音楽ハイライトになることを確信した。


一方のSUNDAY BLOODY SUNDAYも、
「Impatient」「Rise And Fall」という好ナンバーを2曲連発して“対峙”する。

彼らも細かいジャンル用語では括れないスタイルを展開し、
SLAYEREARTH CRISISを彷彿とさせる不穏な静かなるイントロで始まり、
メタリックなリフを絡めながらじっくり高まり沈める。
デス・メタルやブラック・メタル、ニュースクール・ハードコアのダシも感じられるリフのギタが
ユニゾンが多いベース/ドラムとドゥーム・スラッジのグルーヴも生み進め、
KING CRIMSON系のリズムも絡めつつゆったりドライヴもするヘヴィ・サウンドだ。

緩急のパートの中でリードするのは、
やや高い声域でメロディアスな歌も聴かせるヴォーカル。
U2の1983年の代表曲を思い出すバンド名だが、
ヴォーカルも“U2 meets NAHT”と言いたくなるエモーショナル・テイストで、
殺伐感も漂う音の中で歌声がポジティヴに響いているのも印象的。
適度にクリアーで各パートの分離のいいレコーディングの仕上がりで、
楽器の音がラウドに鳴りつつヴォーカルがしっかり聞こえる作りだから、
SUNDAY BLOODY SUNDAY繊細な個性が活かされた完成度のCDと言える。


今回のCDは全4曲歌詞は不明で、
少なくても僕の耳には日本語が聞こえてこなかった。
曲解説の類いも付いてない。
だが、いいようにごまかせる言葉にまどわされることなく、
ウソをつかない声と音だけで思いが伝わってくる。

まさにCDタイトルどおりに“HEARTBREAKING”“noiserocking”でありの作品である。
“悲痛悲嘆なほど胸が張り裂ける思い”の現在進行形であり、
やっぱり何より“ロックしている”ことが大切。
タイトルに偽り無しのオススメ盤だ。


★REDSHEER/SUNDAY BLOODY SUNDAY『HEARTBREAKING noiserocking』(HELLO FROM THE GUTTER HFTG-038)split CD
薄手のペーパー・スリーヴ仕様。


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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、ギター・マガジン、ヘドバンなどで執筆中。

https://twitter.com/VISIONoDISORDER
https://www.facebook.com/namekawa.kazuhiko
                                

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