なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

RED SPAROWES『The Fear Is Excruciating, But Therein Lies The Answer』

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ISISでギターやキーボードを演奏するブライアン・クリフォード・メイヤーが、
NEUROSISではライヴ映像やアートワークを担当するジョシュ・グラハムと始めたLA拠点のバンドの、
3年半ぶりとなるサード・フル・アルバム。
ただし数年前にジョシュは脱退しており、
今回の米国でのリリース元もNEUROSISのレーベルではなくSARGENT HOUSEだ。

2005年のファースト・アルバム『At The Soundless Dawn』の頃は、
ISISのベーシストのジェフ・キャシードもメンバーだったが、
2006年のセカンド・アルバム『Every Red Heart Shines Toward The Red Sun』以降は不参加。
でも90年代前半にGRAVITY Records周辺ならではの激情カオティック・ハードコア・パンクを轟かせた、
サンディエゴのバンドのANGEL HAIRの元メンバーのアンディ・アラフッドが入れ替わりで加わったことは、
音楽面でのストレートなつながりがあまり感じられないとはいえ非常に興味深い。


12ページのブックレットには5人メンバー全員の担当パートのところにヴォーカルもクレジットされたが、
声らしき声がほとんど聞こえてこないからまだほぼインストのヘヴィ・ミュージックと言えよう。
インスト・ナンバーということもありポスト・ロック/ポスト・メタルとも呼ばれるバンドだが、
積極的にはそういうふうに呼びたくない。
PINK FLOYDがプログレッシヴ・ロックであるならば、
RED SPAROWESは現代のプログレッシヴ・ロックである。

3本のギター、ベース、ドラムスを中心にして織り成していくが、
エレクトリック・ピアノとシンセサイザーも絶妙に溶け込み、
曲によってはペダル・スティール・ギターも挿入。
ゆったりしたドラマチックな曲の流れだが、
多少近いところがあるとはいえ今も昔もハードコアな音像に貫かれたISISとは違って、
RED SPAROWESの音はもっとオーガニックな色合いを強めている。

日本盤には2008年録音の約18分3曲入りの『Aphorisms』のCDも付いており、
3曲で一つの作品ということで掴みOK!な曲を揃えたのかもしれないがハードな音が目立つ。
ファーストもセカンドもヘヴィな音が印象的だった。
でも本作はたおやかな感情に磨きを掛けている。
宇宙的な広がりの中で土臭いサイケデリック濃度が増しており、
ところによっては最近のEARTHみたいな香りもする。
それでいて誤解を恐れずに言えば、
サーフィン映画のサントラにもふさわしいサウンド・ウェイヴなのである。


前述の『Aphorisms』までは曲名がやたらと長かった。
理屈っぽい曲じゃないとはいえ歌詞がないだけに言葉で注釈を付けたかったとも想像できる。
今回のアルバム・タイトルは長いフレーズだが、
今までになく短い曲名には余計な説明を必要としない自信も感じられ、
音も視界が開けて確実に突き抜けている。
麗しいメロディに磨きを掛け、
それでいて力強く、
いい意味でフックのある曲作りも光る。
約43分8曲入りという長さもちょうどいい。


★レッド・スパロウズ『ザ・フィアー・イズ・イクスクルーシエイティング、バット・ゼアイン・ライズ・ジ・アンサー』2CD
約43分8曲入りの本編と約18分3曲入りの『Aphorisms』(初CD化)の2枚組。
どちらもMELVINSの近作を手がけているトシ・カサイによる録音だ。


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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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