FC2ブログ

なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

SONS OF APOLLO『MMXX』(リミテッド・エディション)

SONS OF APOLLO『MMXX』


DREAM THEATERのオリジナル・メンバーとして知られるマイク・ポートノイ(ds)、
MR. BIGのビリー・シーン(b)、
2008年の『Chinese Democracy』の前後から15年近く
GUNS N' ROSESで弾いていたロン・"バンブルフット"・サール(g)、
90年代後半にDREAM THEATERのメンバーだったデレク・シェリニアン(kbd)、
イングヴェイ・マルムスティーンの初期ソロ2作(1984、1985年)の頃のバンドへの参加で
本格的なキャリアをスタートさせたジェフ・スコット・ソート(vo)、
によるバンドの2年3ヶ月ぶりのオリジナル・セカンド・アルバム。

これがまた最近“まさか”のへヴィ・ローテーションである。
考えすぎで無味無臭の表現が最近どんどんダメになってきているだけに、
このダイナミズムはキモチとカラダのド真ん中にクるのだ。


BOSTONみたいなバンドに70年代からよく使われていたジャンル名だが、
これぞ“プログレ・ハード”!と呼びたいサウンドだ。
ピアノ独演やギター・アルペジオなどの叙情的な“静”とパワフルな“動”、
大半のパートの“緩”と時にツー・ビートで飛ばす“急”を、
鮮やかに司った楽曲クオリティが素晴らしい。
ラスト・ナンバーもトータル・タイム16分という長さをまったく感じさせず、
どの曲も小難しくなくフック十分なのだ。
80年代のMETALLICAも思い出すメタリックなリフを弾き出しつつ
ギターもけっこうハード・ロックのニュアンスである。

無機的なメタルというより人間味あふれるハード・ロック聞こえるのは、
リズム隊の音の響きによるところも大きい。

特にドラムの鳴りがたまらない。
スネアもキックも70年代のロックみたいな味わいの音の抜け方だ。
押すだけでなく“引き”の演奏で、
叩くタイミングがあまりにも絶妙!と言うほかない。
もちろん程良く手数は多いが、
テクニシャンだからこそシンプルなのだ。
ポートノイとWINERY DOGSでも活動を共にしているビリー・シーンのベースも同様で、
やっぱり“能ある鷹は爪を隠す”である。
二人ともナチュラルなリズムの滑らかな演奏と滑らかな音で気持ちよすぎて、
性的な意味でのテクニシャンに通じると思うほどだ。


歌詞も実にいい感じである。
いわゆるメッセージ・ソングではないかもしれないが、
説教臭くなくて普遍的にリアリティがあってすんなり心に入ってくる。


“リミテッド・エディション”には全8曲のインスト・ヴァージョンと
全8曲のアカペラ(ヴォーカル・パート抜粋編集)・ヴァージョンが入ったCDも付く。
これがまた単なるオマケで終わらないブツだ。
インストの方はやっぱり楽器の音だけだとスッキリしていて、
スリリングな曲なのに聴くとますますリラックスできる響きである。
“アカペラ”の方はさらに興味深く、
単なる上手いシンガーではない表現者の生々しい声の魅力が響いてくるのだ。


静かの海の『静かの海』が今の日本のプログレのベスト!だとしたら、
本作は今のアメリカン・プログレのベスト!と言い切りたい。
オススメ。


★サンズ・オブ・アポロ『MMXX(リミテッド・エディション)』(ソニー・ミュージックエンタテインメント SICP 31344~5)Blu-spec CD2[一般のCDプレイヤー等で再生可能]
ディスク1が59分弱の本編8曲入り、
ディスク2が79分弱のインスト+アカペラの計16トラック入り。
36ページのブックレットが綴じ込まれたハード・カヴァーの二つ折りデジパック仕様で、
日本盤は歌詞の和訳付。


スポンサーサイト



コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事へのトラックバックURL
http://hardasarock.blog54.fc2.com/tb.php/2227-347ec3be

 | HOME | 

文字サイズの変更

プロフィール

行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、ギター・マガジン、ヘドバンなどで執筆中。

https://twitter.com/VISIONoDISORDER
https://www.facebook.com/namekawa.kazuhiko
                                

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

未分類 (12)
HEAVY ROCK (270)
JOB/WORK (353)
映画 (329)
PUNK ROCK/HARDCORE (0)
METAL (50)
METAL/HARDCORE (52)
PUNK/HARDCORE (462)
EXTREME METAL (145)
UNDERGROUND? (139)
ALTERNATIVE ROCK/NEW WAVE (148)
FEMALE SINGER (49)
POPULAR MUSIC (37)
ROCK (94)
本 (12)

FC2カウンター

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QRコード

Template by たけやん