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パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

JURASSIC JADE『id -イド-』

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1985年に東京で結成された“リアル・エクストリーム・メタル・バンド”JURASSIC JADEが、
12月9日(水)にリリースする約40分11曲入りのニュー・アルバム。
ライナーを書かせてもらいました。

『帰天(Kiten)』(2014年)以来の新作で、
フル・アルバム・サイズの作品として『Left Eye』(2004年)となるCD。
JURASSIC JADEのライヴを観に行っている方ならお馴染みの、
“JJCREW”ことワタナベ(ベース、コーラス)が加入してからの初作でもある。
『Hemiplegia』(2006年)に収めた「Hemiplegia」を、
歌詞に日本語を混ぜてリメイクした「22nd Hemiplegia」も含まれている。

実は今回のライナー、
発売レーベルの方から音を送ってもらって聴いてあまりに興奮したから、
レーベルの方を通してメール・インタヴューみたいな形でメンバー4人に質問を送り、
いただいた貴重な回答をたくさん盛り込んでいる。
というわけで普段のライナー担当盤以上に内容がダブらないように紹介させていただく。


ほんとCD再生2秒で打ちのめされる。
楽曲クオリティの高さで最後まで一気に聴かせる。
JURASSIC JADEならではのスラッシーな核をキープしつつ、
デス・メタリックなリフやビートも織り交ぜ、
グルーヴ感もワタナベが持ち込んだ時空を横切るベース・プレイでアップデートし、
“暗黒わらべ歌”とも言うべき情趣も滲む。
アルバム全体だけでなく一曲の中でも緩急織り交ぜているにもかかわらず、
スピード感も加速度も止まることはない。

日本のDOOMのフジタ・タカシによる共同プロデュースの力も作用したのか、
突進パートと静寂パートの振り幅が際立つ。
音と声ひとつひとつのストイックな鳴りの息吹が格別で、
すべてが喉元と心臓と突きつけられる。
ヴォーカル、ギター、ベース、ドラムのバランスが絶妙のミックスだ。
メンバー間の交感が目に見えるほどである。
メンバー全員の精神性やベクトルの融合感が過去最高なのもはっきりとわかる。
“メタル”に類されるサウンドにも、
おのれ自身の中から声や音を紡ぎ出せば歌心が息づき得ることをあらためて知る。

カオティック・ハードコア/マス・ロックと呼ばれるようなサウンドとも
2000年代以降のJURASSIC JADEの曲は接点を持ってきたが、
そういうスタイルではないにもかかわらず、
まっすぐなのにカオスが体現されている。
それも空恐ろしいほど研ぎ澄まされた形で。

覚悟を決めている。
一曲一曲でケリをつけている。
だからどの曲も音が止んで終わった後の残響に息を呑む。
アルバムすべてが終わった後の静けさに身が引き締まる。

これまで以上に鬼気迫るアルバムであり、
“危機迫る”とも書きたくなるほどの切迫感だ。
内面描写という意味合いも含めて
これまで以上に戦場や戦闘地域をイメージするサウンドからも伝わってくるが、
歌詞がまた無限大に意識を触発する。
刺激に満ちた言葉の連打は、
底無し沼なほど示唆に富む言葉の乱舞である。
本気の肉声によって初めて歌詞に命が宿ることをあらためて知る。

本作の肝の曲と言える「遼かなるペシャワール」を聴いて、
1年前にアフガニスタンで起こった中村哲殺害事件を思い起こすのは僕だけではないだろう。
もちろんアルバム・タイトルにもリンクしている。
帯に書かれている言葉から勝手に解釈させてもらうと、
ヒズミ(vo)が“hizumi”を掘って彼女自身の“泉”を呼び覚ましたアルバムにも聴こえる。

痛みと傷み、そして悼みもモチーフかもしれないが、
赦しと救いの音楽、祈りの音楽、否定を突き抜けた肯定の音楽に聴こえる。

過去の名作群を超え、
結成35年目の最高傑作と断言したい。
まさにグレイト。


★JURASSIC JADE『id -イド-』(B.T.H BTH-066)CD
本作の世界観を見事に視覚化したNOBUO TAKANASHIによるアートワーク&デザインも強烈な
12ページのブックレット封入。


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コメント

嬉しすぎて悶絶!

Re: タイトルなし

もちおさん、コメントありがとうございます。
期待して間違いないアルバムです。

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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)、
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)、
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)<以上リットーミュージック刊>、
『メタルとパンクの相関関係』(2020年~BURRN!の奥野高久編集部員との“共著”)<シンコーミュージック刊>
を発表。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、ギター・マガジン、ヘドバンなどで執筆中。

https://twitter.com/VISIONoDISORDER
https://www.facebook.com/namekawa.kazuhiko
                                

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