なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

HOWL『Full Of Hell』

FULLOFHELL_RGB_convert_20100515111213.jpg


米国の新鋭ヘヴィ・ロック・バンド“ハウル”のファースト・アルバム。
同名のバンドがいくつかあるようだが、
こちらは東海岸ロードアイランド州プロヴィデンス産で、
これがまたちょっとした衝撃の強力盤だ。

2006年に結成され、
2008年に3曲入りの『Howl』を発表(今回の日本盤に全曲追加されている)。
翌年そのEPを再発したRELAPSE Recordsと契約し、
このたび『Full Of Hell』をリリースしたのである。

MASTODONのプログレ的な展開とBARONESSのたそがれの叙情性を、
『Through Silver In Blood』の頃のNEUROSISのヘヴィネスと共にブレンドしたかのようだ。
HIGH ON FIREみたいな音楽的な語彙の豊富さと蛮性や
MINSKやRWAKEをはじめとする新世代のバンドに通じるドゥーム感覚も有する。
そういったバンドの並びでまさにRELAPSE Recordsのヘヴィ・ロック・バンドの申し子と言うべき、
プログレッシヴなドゥーム・ヘヴィ・ロックなのだ。

HOWLメンバー

まずメンバーのヴィジュアルが実にクールである。
ただならぬものを感じるではないか。
当然のことながら中身も裏切らない。
淡い旋律が滲むソロ演奏も適宜弾く2本のギターはよく絡み、
手数足数多いにもかかわらずドラムはタメが効いており、
ベースの音もウルトラ・ヘヴィ級である。
アンサンブルの妙味にとろけるばかりだ。

複雑でドラマチックな展開の中に反復パートを応用するとはいえ楽曲はフック十分で、
よく練られている。
MORBID ANGELと終結間近のISISとの奇跡的なセッションも目に浮かぶほどだ。
一回聴いてピクッ!と引っかかって聴くたびに発見がある。
魔術的とすら言える得体の知れないものが荒い息をする超弩級サウンドなのだ。

バンド名が“howl”なぐらいだから
女性ギタリスト以外の3人がとるヴォーカルはメロディアスな歌唱ゼロに近い。
なにしろ気合が入った喉を震わせており、
脅し系とは一線を画す歌心のある咆哮に痺れる。
アルバム・タイトルに象徴されるように歌詞もイカれていてたのもしい限りである。

奥行きがあり空間を活かした立体的な音の仕上がりもパーフェクト。
膨張した音像をしっかり記録しているのだ。

近々ツアーの他に↓のイベントにも出演するHOWL。
HOWL2.jpg

HOWL1.jpg
対バンに揉まれてますますたくましくなりそう。
これぞブライテスト・ホープ。
今後も大期待である。


★ハウル『フル・オブ・ヘル』(リラプス・ジャパン YSCY-1178)CD
本編約43分9曲入りで計約14分のボーナス・トラック3曲をプラス。
8ページのブックレットと本編の歌詞の和訳付だ。
オススメ。


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コメント

HOWL

いつも楽しく拝見させて頂いております。このファーストですが、RELAPSEという事でとりあえず的な感じで買ってみたのですが、私もけっこうな衝撃をうけまして、ヘヴィーローテになってます。イベントの対バンも面白いバンドばかりですね。しかし、RELAPSEだけに限った事では無いですが、そのレーベルの看板バンド達が次々と出ていっても、新たな素晴らしいバンドが出てくるのは凄いですね。行川さんのレヴュー、今後も楽しみにしておりますので、頑張ってください。
 

YUJIさん、コメントありがとうございます。
90年代前半まで栄華を極めたにもかかわらず出て行ったバンドほとんどに悪口を言われたEARACHE(といっても最近のレーベルの人のインタヴューを読むと意識も持ち直しているようで一安心です)を受け継ぐように、伸長してきたレーベルがRELAPSEだと思っています。
一時期クラブ系にも迷走したEARACHEよりもRELAPSEは古典的なロック魂を感じるので、今も素晴らしき暑苦しいバンドが集まってきているのでしょう。それでいて視野が広くて懐の深さを感じます。

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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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