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パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

映画『デッドロック』

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CANの曲が使われたことで知られる1970年のドイツ映画の日本初ロードショー。
“『マッドマックス』×『エル・トポ』×『続・夕日のガンマン』”
という宣伝文句もハッタリじゃない傑作である。
監督はローラント・クリック。
念のため、同タイトルの違う映画が存在するから注意されたし。

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閉鎖された鉱山デッドロックの監督官ダム(マリオ・アドルフ)は、
荒野で行き倒れになっていた男と大金が入ったジュラルミンケースをみつける。
その若い男キッド(マルクヴァルト・ボーム)を殺しきれなかったダムは、彼を介抱してやる。

デッドロックには、元娼婦のコリンナ(ベティ・シーガル)、
その娘と思われる口のきけない美少女ジェシー(マーシャ・ラベン)がいて、
キッドは異様な緊張感の中で身体を癒していく。
数日後、
キッドの仲間で死神のような非情な殺し屋サンシャイン(アンソニー・ドーソン)が村にやってきて、
ダムをいびりまくって金を奪う。
サンシャインは単身逃げようとするが、
キッドとジェシーが罠を仕掛けていた。

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以上はオフィシャル・サイトのあらすじをアレンジしたものだ。
映画の舞台がアメリカだからセリフが英語というのもあってわかりやすいが、
さりげなく深い。
作りとしては、
場面転換する際の“行間”の作り方にうならされ、
想像力を掻き立てられる。

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カルト映画の匂いプンプンなのがたまらない。
いつも書くように映画も匂いが漂ってくるぐらい臭気を発しないとダメなのだ。
当時一触即発の政治状況の中で撮影が行なわれた中東ネゲヴ砂漠と、
映画の舞台になっている当時のアメリカの匂いがブレンドした土臭さにむせかえる。
発色が妖しく怪しい映像はドラッギーかつアシッドなほどである。

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CANのファンとしては映画の映画のタイトル・トラックが聞こえてくるオープニングで、
もうアガる。
イエジー・スコリモフスキ監督の『早春』の曲などとともに『Soundtracks』(1970年)に収めた
3曲が映画で体験できるのがとにかく感激だし、
映像やシーンにピッタリとハマって盛り上げていくサイケデリックなセンスにうならされる。

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基本的にはマカロニウエスタンものと言える映画だけに容赦ない。
情にほだされてというシーンも含みつつ特に後半は非情だが、
リアリティたっぷりに迫る映像力がやはり素晴らしい。

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俳優陣もみな生々しい名演だ。
美少女ジェシーのミステリアスな存在感が
殺伐としたクレイジーな映画の中で潤いになっており、
ちょっとしたロマンスも大いなる見どころである。

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CANのドーナツ盤のレコード、
モーゼルC96やトミーガンといった銃など、
もろもろのアイテムも小ネタとして楽しめる映画だ。


★映画『デッドロック』
1970年/ドイツ/英語/85分/1.66:1 原題 DEADLOCK
★ドイツ映画賞長編作品賞受賞
監督:ローラント・クリック
音楽:CAN(カン)
出演:マリオ・アドルフ(『ブリキの太鼓』他)/アンソニー・ドーソン(『007は殺しの番号』他)/
マルクヴァルト・ボーム/マーシャ・ラベンなど。
配給 オンリー・ハーツ/アダンソニア 宣伝:ブライトホース・フィルム 字幕:小泉真祐
5月15日(土)より新宿K’s cinemaほか全国順次公開。
© Filmgalerie451
http://deadlock.movie.onlyhearts.co.jp/


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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)、
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)、
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)<以上リットーミュージック刊>、
『メタルとパンクの相関関係』(2020年~BURRN!の奥野高久編集部員との“共著”)<シンコーミュージック刊>
を発表。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、ギター・マガジン、ヘドバンなどで執筆中。

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