なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

SOULFLY『Omen』(special edition)

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ブラジル出身のマックス・カヴァレラ(元SEPULTURA)率いるグルーヴィなヘヴィ・メタル・バンドの、
7枚目のアルバムのスペシャル・エディション盤。
通常盤とはジャケット・デザインが異なり、
3曲のボーナス・トラック入りのCDとライヴ+α入りのDVDの2枚組である。


初期はメンバー・チェンジも激しかったが2003年からは不変の4人。
97年の結成以来コンスタントなリリースとライヴを続行している精力絶倫な活動ぶりは、
異様なまでのヴァイタリティと執念に裏打ちされている。
もちろん本作の中身も相手が音を上げても責め続けるみたいな過剰なまでの渾身プレイは健在だ。

サービス精神旺盛ゆえに長尺ものも含めて曲をぎっちり入れるのがSOULFLYのアルバムだったが、
CDは今までになく物理的なヴォリュームを抑制したのがポイントで、
今回は全曲5分以内で本編11曲に“やりすぎエナジー”を凝縮。
ミディアム・テンポも織り込んだ簡潔なスラッシュ・メタル/ハードコア・パンク・サウンドで押しつつ、
民俗音楽の要素がオーガニックに溶け込んでイイ感じの潤いになっていて一気に聴けるのだ。
恒例になっている“セルフ・タイトル・ナンバー”第7弾のインストの最終曲「SoulflyⅦ」も、
機械的なB級メタルコア勢には出せないスピリチュアルな静謐チューンである。

毎度セレクションのセンスが心憎いすべてカヴァーの3曲のボーナス・トラックも興味深い。
LED ZEPPELINの「Four Sticks」は、
常に進化を試みたモンスター・バンドのプリミティヴな曲だからSOULFLYにピッタリ。
以下の2曲は“スペシャル・エディション”のみの収録で、
SEPULTURAの「Refuse/Resist」ではその曲を発表した93年よりもヘヴィになっていることを示し、
SUICIDAL TENDENCIESのマブダチEXCELLの「Your Life, My Life」も、
絶妙の“ハードコア・パンク・メタル”のクロスオーヴァー仕上がりになっている。


DVDには昨年7月のドイツのフェスでのライヴを約63分17曲収録。
これがまた怒涛としか言いようがない凄まじいパフォーマンスを展開している。
シーンの流行りとか大きなスキャンダルとか関係なしでやってきているだけに、
鳴り物入りで登場したデビュー時よりも存在感が地味にも映る。
だが音楽に対する愚直なまでの姿勢でパワーが増す一方であることは、
このライヴに集約されている。

お祭り騒ぎとまでいかなくてもマックスは派手なことが好きな人だけに、
でかい舞台が似合うバンドだ。
ライティングを活かした絶妙の映像と適度に忙しいカメラの切り替えの編集も功を奏し、
美しくスピード感のある仕上がりになっており、
オマケDVDの水準を完全に超えている。

SOULFLY史上最強のメンバーに支えられて、
DEAD KENNEDYSのTシャツを着たマックスが吼え歌う。
リズム・ギターなんてもんじゃない打楽器的な“4弦ギター”も健在で、
マックス無き後のSEPULTURAはこの野蛮なギターの欠落が大きいと再認識。
ステージングを見ているとやっぱりカリスマである。

SEPUTURAの曲も数曲含み、
観客もステージに上げて叩いてもらうパーカッション演奏シーンもあり。
アンコールではSEPULTURA時代からマックスはカヴァーしていたTITASの曲や、
ファミリーを大切にするマックスの継息子リッチー・カヴァレラもヴォーカルをとる曲も含む。
至れり尽くせりのマックスならではの見ごたえ十分のDVDだ。


★ソウルフライ『オーメン~スペシャル・エディション』(ロードランナー・ジャパン RRCY-29204/5)CD+DVD
16ページのブックレット封入の三面デジパック仕様。
CD収録のオリジナル曲の歌詞和訳付だ。
DVDには2年前の前作『Conquer』収録曲でTHROWDOWNのデイヴ・ピーターズ参加の、
「Unleash」のミュージック・ヴィデオも入っている。


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コメント

こんにちは!

CATHEDRALの日本盤についてはライナーノーツを褒めてらっしゃいましたが、SOULFLYの日本盤ライナーノーツについては何も書いていないので、あまり良くないということですね。輸入盤を買うようにします。

Kさん、書き込みありがとうございます。
ライナーに関しては、自分がインスパイアされない限りブログでも雑誌の原稿でも特に言及してないです。

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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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