RNA『A Taste of...RNA』
2022-04-24

海外の諸映画祭の受賞作になった『ドライブ・マイ・カー』の音楽も担当の石橋英子(ds)、
INCAPACITANTSや宇宙エンジン、C.C.C.C.などで活動してきているコサカイフミオ(g、vo)、
ソロ・ユニットのK2で40年近くにわたって活動している草深公秀(エレクトロニクス)
によるバンドのデビュー・アルバム。
昨年12月に発売されたCDである。
CONTORTIONS、TEENAGE JESUS and The JERKS、MARSとともに、
伝説的なオムニバス盤『No New York』(1978年)に参加したDNAを思い起こす。
DNAはアート・リンゼイがギターでイクエ・モリがドラム、
PERE UBUのオリジナル・メンバーのティム・ライトがベースを演奏していたバンドだ。
RNAというバンド名に加え、
アルバム・タイトルとジャケットもDNAの1981年のEPみたいだし、
女性ドラマーという点も共通する。
CDの中身は、
今は亡き東京・六本木のスーパー・デラックスで2018年の5月19日に行なったライヴ。
40分30秒“一本勝負”のそのクールな熱演音源を元に、
宇都宮泰が最初のエディットとミックスを2020年の夏に行ない、
石橋が最終的なエディットを同年の12月に行ない、
中村宗一郎が昨年10月にマスタリングしている。
ところどころで“声”も聞こえてくるが、基本的にはインスト。
ダイナミズムたんまりの豪快なドラム、
ソリッド&クネクネした硬質なギター、
全体の潤滑油のようなエレクトロニクスが、
理屈抜きのロックなパフォーマンスを展開する。
3人ともエゴをコントロールしつつ遠慮無き三位一体の演奏で素晴らしい。
本番まで打ち合わせは一切無しのインプロヴィゼイションとのことだが、
節目節目でフック十分のプレイが盛り込まれていて取っつきやすい流れができており、
緩急織り交ぜて聴きやすい。
「A Taste of RNA Vaccine? (New Corona Virus Pandemic version)」という、
本作収録の唯一の曲のタイトルにふさわしい世界が確かに描かれている。
と同時に、
懐かしのRCAレコードのレコードのレーベル面と見間違うCD盤の表の作りをはじめ、
アートワークとデザイン担当の大野雅彦(SOLMANIA)のセンスが象徴するように、
ユーモアも滲む。
聴きごたえありありで、
聴くたびに発見あり。
終演後の観客の歓声と拍手にも納得だし、
一過性のライヴで終わらせることなく作品化したのも納得の一枚だ。
★RNA『A Taste of...RNA』([...]dotsmark OOO39)CD
デジパック仕様の1曲入り。
実際のジャケットの色は↑の画像よりも濃いです。
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