なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

Mike Patton『Mondo Cane』

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最近再結成してライヴを行なったFAITH NO MOREのシンガーであり、
FANTOMASのリーダーとしての顔をはじめ奇才の名を欲しいままにしている、
マイク・パットンのソロ作。
“何作目”とかいった杓子定規の説明の類いをあざ笑うかのような神出鬼没な活動も健在で、
たぶんこれがマイク関連アルバムとして2010年最初のリリースだと思う。

もはや総合音楽家として知られているマイクだが、
今回作曲と演奏の方は置いておいて、
シンガーとアレンジャーとプロデューサーに専念。
全曲イタリアのポピュラー・ミュージックをやっている。
ほぼすべてが60年代の曲でヒット曲が中心だという。

アルバム・タイトルがイタリア映画『世界残酷物語』の原題と同じなのも興味深い。
映画『黄金の眼』と映画『ラ・クッカーニャ』の主題歌もやっていて、
それらはエンニオ・モリコーネの曲だ。
フランク・シナトラっぽいな・・・と思ったら、
シナトラが全米ヒットさせた「The World We Knew」のイタリア語ヴァージョンの原曲も歌っている。

FAITH NO MOREの全盛期からそうだが、
歌の上手にさも巧さにも旨さに磨きを掛けていてジェラシーを覚えるほど色っぽい。
デイヴィッド・ボウイも一瞬頭をよぎったが、もっと骨っぽい喉をしている。
オーケストラをバックに“これでもか!”とばかりに気持ち良さげに歌いまくっているマイク・パットン、
陶酔し切っている顔も目に浮かぶほどである。

ぼくもその傾向があるから気をつけているが、
判官びいきみたいに、
差別や虐待されているような立場の者のやる音楽は何でも賞賛されがちだ。
けど嫌味じゃなくワーキング・クラスにはなかなか出せないこの格調の高さはやっぱり問答無用の響きである。
何度も一緒にツアーをしたMELT-BANANAから話を聞いたリアル・スカトロ趣味は最近どうか知らないが、
とりあえずこのアルバムは紳士的でありスマートである。
日本語でいうところのスマートの意味だけじゃなく、
英語のsmartの意味をぜんぶ含む憎たらしいほどのアルバムをまたまた届けたマイク・パットンであった。


★マイク・パットン『モンド・カーネ』CD
つるつるの紙質の表くり抜き三面デジパック仕様でカラフルなインナー・シートも封入。
日本仕様盤には平野和祥執筆のわかりやいライナー付。


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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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