なめブログ

パンク/ハードコア/ロックをはじめとする音楽のほか映画などにも触れてゆくナメの実験室

FIREBIRD『Double Diamond』

Firebird_DD_J.jpg


CARCASSのギタリスト/ヴォーカリスト(前期のみ)として知られ、
NAPALM DEATHの最初の2作でも弾いていたビル・スティアー(vo、g)が率いるロック・トリオの5作目。
これまで出してきたリー・ドリアン(CATHEDRAL)のRISE ABOVE Recordsからも秋に発売されるようだが、、
日本先行リリースである。

1年ぶりという早いインターバルだが、
前作『Grand Union』は一昨年の録音だった。
とはいえ昨年10月の来日公演時は当時のCHURCH OF MISERYのギタリストが急遽助っ人で弾いていたことを思うとやっぱり早い。
よほど表現欲求が高まったのだと想像できる。

クレジットによれば収録した10曲すべて、
SPIRITUAL BEGGARSのメンバーでもあるラドウィッグ・ウィット(ds)とビルが二人だけで書いている。
新メンバーのグレイアム・メイ(b~元OZRIC TENTACLES~BLACK HAND)は、
昨年11月以降のライヴからFIREBIRDで弾き始め、
今年1月にオランダでレコーディングを行なったのである。
そんな急ぎ足で大丈夫かとも思ったが、
勢いすら感じられる仕上がりだ。


ハード・ロックがかったブルース・ロックとして知られてきたバンドだが、
『Double Diamond』はブルース・ロックがかったハード・ロックの佇まいと言える。
FIREBIRDの現在のマイスペースには“影響を受けた音楽”として、
BUDGIE、STRAY DOG、FIST、HUMBLE PIE、TANK、SWEET、
ジョニー・ウィンターらの名が挙げられている。
その並びも納得できるほどこれまで以上にブリティッシュ・ハード・ロックの流れのサウンドだ。
70年代のリフと、
80年代の初頭のフックのあるメロディや曲の展開を、
80年代後半以降の熾烈なメタルを通した音色でブレンドしたかのようで、
リリカルなロマンが滲みコクのあるゴキゲンなハード・ロックである。

LED ZEPPELINも頭をよぎる多彩な切り口で侘び寂びを見せるヘヴィかつデリケイトな曲だが、
当然のことながら弾き語る曲ばかりだから歌を中心に据えてはいる。
だがビル自身の肉体の如く贅肉を削ぎ落としたギターに、
シンプルなリズムながらもラウドなドラムとベースは遠慮せずビルに拮抗。
全体的にビートが効いているからパワフルなのだ。
疾走するアップテンポの曲が多いのもうれしいし、
艶やかなギター・ソロもたまらない。
繊細な歌声にもビルのまごころを感じる。
様々な音楽に親しみつつロックを深く掘り下げた者ならではのサウンドなのだ。

ある種の格調が漂っているところにも惹かれた。

カウンター席に陣取ったメンバー3人が彩る裏ジャケットみたいなバーで飲みながら味わいたくもなる。
奥野高久執筆のライナーによれば、
アルバム・タイトルのダブル・ダイアモンドとはビルの地元で作られていた高品質のビールのことらしく、
“古きよき時代をさかのぼる”意味合いを込めているそうである。
実に上手そうなビールの名称だが、
決して焼き直しではなく、
“ダブル・ダイアモンド”という言葉のニュアンスにピッタリの輝けるアルバムだ。


★ファイアバード『ダブル・ダイアモンド』(トゥルーパー・エンタテインメント XNTE-00020)CD
歌詞(和訳付)からはフラストレイションも含めてビルの心情が読み取れて興味深い。
“ダイアモンド色”も光るジャケットだ。


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コメント

EUでのリリース

EUでは秋にRise Aboveから出ると書いてありますよ。http://blogs.myspace.com/index.cfm?fuseaction=blog.view&friendId=360472395&blogId=536896108


もりめたるさん、情報ありがとうございます。
RISE ABOVEのサイトを見て判断して書いてしまいました。
早速手直ししておきます。

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行川和彦

Author:行川和彦
                                             Hard as a Rockを座右の銘とする、
音楽文士&パンクの弁護人。

『パンク・ロック/ハードコア・ディスク・ガイド 1975-2003』(2004年~監修本)
『パンク・ロック/ハードコア史』(2007年)
『パンク・ロック/ハードコアの名盤100』(2010年)
を発表<いずれもリットーミュージック刊>。

ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ、CDジャーナル、プレイヤー、ギター・マガジン、ベース・マガジン、クロスビート、EL ZINEなどで執筆中。
                                

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